母子家庭は昔と比べると今では特別なことではなくなりましたが、生活面では苦労を強いられている方は多いと思います。それは、母親が働いてもらえる収入は、どうしても父親より少ないからで、母子家庭になると経済的に苦しくなってしまいます。
毎月必要なのは、賃貸住まいなら家賃、食費、光熱費、教育費などがありますが、不定期な出費もあり、そのひとつが医療費でしょう。子供が病気になったり怪我をしたりは突然起こるもので、そのための備えもある程度しておきたいですよね。
病気にならないためには普段から健康に気を付ける必要がありますが、子供の健康を考える上で考えたいのが「歯並び」です。
歯並びは、見た目が多少悪くても昔はそのままにしておくのが普通でしたが、今は違います。
歯並びは顔の印象を変えるだけではなく、かみ合わせなどによって精神的に不安定になりやすかったり、さまざまな疾患の要因になることがわかってきたからで、歯並びをただすために歯科矯正を受けることが、健康のためにも必要と言われるようになりました。
医療機関で医療を受ける場合、風邪などの一般的な疾患であれば、保険がきいて自己負担の金額は少なくなりますが、歯科矯正は基本的に保険の適用外であり、かかった費用はすべて自己負担です。
歯科矯正の費用はかなりのもので、母子家庭でなくても簡単には出せない金額です。歯並びを治したくてもなかなか治せないのは、保険が効かないからと言ってもいいでしょう。
母子家庭の場合、国や自治体では様々な支援制度を用意しており、経済的な援助をして母子家庭の生活を支えています。そしてその制度の中に、医療費控除があります。
これは、医療機関にかかってしまった場合に、病院にかかった費用を支給してくれるものであり、母親、子供ともに適用することができます。
この控除を受けるためには、収入が一定の金額以下であること、子供の年齢制限といった条件はありますが、病気にかかりやすい時期である幼少期などに適応されるため、母子家庭にとってはとても助かっていますよね。
ただしこの医療控除は、保険が適用になる疾病などに限定されているため、元々保険の適用外である歯科矯正には基本は使うことはできません。
しかし、歯科矯正を受ける症状によっては、医療控除を受けられるケースがあります。
ここでは、どのような症状であれば、母子家庭が歯科矯正で医療費控除を受けられるのか、解説したいと思います。
母子家庭の歯科矯正で医療費控除が受けられる症状とは?
歯科矯正は、基本的には保険適応外ですので医療費控除を受けることはできませんが、すべての人が保険適応外というわけではありません。
歯科医の診断の結果、先天異常などが原因で治療として歯科矯正をしなくてはならないと判断されたとき保険がきく場合があり、保険適応内であれば控除の対象になります。
歯科矯正で保険適応となる症状は、先天異常、もしくは顎変形症のみです。これ以外の場合には、母子家庭であるか否かは関係なく保険適応外となります。
歯並びがどういう状態だとこの症状に当てはまるのかは、歯科医に診察をしてもらわないと正確な判断は難しいのですが、一般的には、一定の年齢になっても永久歯が出て来ない、上顎や下顎の形異常が見られたり、嚙み合わせの異常が見られるなど、生活に支障がある状態を指しています。
母子家庭で歯科矯正を受けたい、保険の適用内でできることとは?
歯科矯正では、歯並びを整えること以外にも、もし虫歯があればその治療が行われます。また、矯正が終わるまでには早くて半年~1年、症状によってはさらに時間がかかりますが、その間も治療は続きます。
そういった治療がすべて保険の適用外ということはなく、保険がきく治療もあります。
歯の検診
歯の検診は保険の適用内です。初診だけでなく、歯科矯正中の検診も保険の適用内です。母子家庭で医療費控除の条件に当てはまるのであれば、控除が受けられます。
虫歯の治療
虫歯の治療は保険がききますよね。それは歯科矯正中であっても同じで、矯正前の治療、矯正中に発生した虫歯の治療も保険の適用内で、医療費控除を受けられます。
矯正中のケア
歯科矯正は、単にワイヤーを通して終わりではありません。
矯正中は定期的に歯科医に通うことになります。それは、矯正の進み具合を確認しワイヤーの調整をするためですが、その調整費用は保険適用外の治療です。
しかし矯正中は、口内炎になりやすい、歯磨きでは歯ブラシが行き届きにくくなって虫歯になりやすい、歯石や歯垢がたまりやすいといったことが起こります。
そのため、こまめに歯石除去や虫歯の検査など口腔内のケアをしてもらわなくてはいけませんが、これらを行う際の費用は保険の適用内で、医療費控除を受けることができます。
母子家庭の歯科矯正に利用できるローンとは?
歯科矯正は保険がきかないので多額の治療費がかかり、大きな負担になりますが、その問題を解決する方法として、ローンの利用があります。
支払う金額が少なくなるわけではありませんが、何度かに分割することで一度に支払う金額を下げることができ、毎月の生活費への負担を少なくすることができます。
ローンと言っても銀行やカードローンなどではなく、利用するのはデンタルローンです。
デンタルローンというのは歯科治療専用のローンで、歯科矯正にも利用することができます。金利の相場は年間で5パーセントと通常のローンの金利よりも低く、歯科医が提携しているため、安心して利用することが出来ます。
歯科医によってはデンタルローンの金利を負担してくれるところもありますので、母子家庭の方でも月々の支払いが少額で歯科矯正を受けることが可能です。
デンタルローンを利用するには、歯科矯正を受ける予定の歯科医に申し込む必要があります。詳しくは窓口で確認しましょう。
母子家庭で歯科矯正を受けたい、事前に歯科医とよく相談を
金利が低い銀行などでお金を借りるという方法もありますが、審査がきびしい、延滞時の金利が高いなど、多くの母子家庭にとっては現実的ではないですよね。
歯科矯正でデンタルローンを使いたいのであれば、、治療を受ける歯科医にデンタルローンの利用を検討していること、月々いくらまで支払うことができるのかなどを伝えておくと、手続きががスムーズに進みます。
またその場合、月に数回通うことになる定期通院の際の保険適応外の治療の費用についても確認しておきましょう。
事前に歯科医としっかり話し合うことで、安心して歯科矯正を受けることができるのではないでしょうか。