就学援助申請理由の記入例、母子家庭におすすめは?

母子家庭になり、収入が減少した事で生活保護の適用になったり、それに近い水準になってしまう場合もあります。

減少した収入の中では、子供に対してかけられる金額も限られます。特に教育に関する出費は、優先度が低くなってしまいがちです。

離婚した元夫から養育費を受ける事が出来れば、教育費の足しになりますが、実際に養育費の取り決めをしている世帯が42.9%と半数を割ります(厚労省『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』)。養育費の取り決めをしない理由についても、「自分の収入等で経済的に問題が無い」とするものは2.8%に過ぎません。

そして、実際に養育費を受け取れたかという調査では、「現在も養育費を受けている」との回答が、24.3%に過ぎず、養育費にきちんと頼る事が出来るのは、全体の10.4%に過ぎないという計算になります。

夫と死別した場合も考えれば、養育費を受ける事が出来る人の割合は一層下がる事になるのです。

そんな時、市区町村が行う就学援助は、大きな助けになります。

就学援助を受けるには申請が必要ですが、申請理由の記載が必要になります。低所得世帯であれば、低所得であることが主要な理由として挙げられます。

一方、母子家庭の場合は、それ以外にも様々な理由を挙げることが可能ですが、就学援助理由について、実際にどのように書いたらいいか、分からないという人も多いでしょう。

また、好きなように書いてしまうと受け付けてもらいない可能性もあり、的を絞った書き方が求められます。

そこで当記事では、就学援助理由の記入例を紹介しながら、申請のポイントについて解説します。

目次

就学援助の申請理由、記入例のポイントとは?

就学援助の申請に関しては、各自治体によって申請書の形式が異なります。

就学援助理由は、選択に〇やレ点を付ける形になっているものが多いですが、自治体によって様式が異なります。もしあなたに当てはまるものがない場合は、自分で書く必要があります。

どの自治体においても、申請理由は審査において重要視されているからです。

就学支援理由の書き方

役所は具体的な収入状況については概ね把握している為、通常は、

「収入が少なく、生活費を差し引くと就学の費用を支払う事ができないため」

「親が失業中で収入がなく、生活が苦しいため」

「事情により、親がフルタイムで働くことが難しくて所得が少ないため」

と書けば充分です。
 
単に「収入が少ないため」でも問題ない場合もあるようですが、記入例のように生活費分しかない(=足りない)ことを明らかにしておくとより伝わりやすいでしょう。

「具体的に」「詳しく」とあるなら、あなたの事情を記入する事になります。

就学援助申請理由の記入例、母子家庭におすすめ3例

母子家庭の就学援助理由としては、家庭事情を具体的に記入することが良いと言えます。事実を具体的に記載すれば、申請が通る可能性が高くなるものです。

就学援助理由の要点

母子家庭になって収入が減少したのであれば、要点としては、

  • 母子家庭 となり、収入が減った。子供の面倒を見ながら働くため、フルタイムで働く事が出来ず収入が少ない。生活費を差し引くと、就学費用を支払う事が難しい。
  • 母子家庭 となり、収入が減った。子供の面倒を見るため、働きに出る事が難しい。元夫からの養育費が不十分で、子供の就学費用を支払う事が難しい。
  • 母子家庭 となり、子供の面倒を見ながら働きに出ていたが、体調がすぐれず時短勤務になり収入が減った。

などが考えられます。

具体的な記入例としては次のようになります。

就学援助理由の記入例

記入例 ①

長男が私立高校に進学し、学費などの納入で家計費が圧迫されています。その為、生活費に余裕がなくなっており、今回の就学援助申請となりました。
我が家が母子家庭であることに加え、収入源が母親のパート収入しかありません。正社員のようなボーナスも無いため、就学援助を受けられれば助かります。

記入例 ②

我が家は母子家庭で、就学児と未就学児の二人の子供を抱えています。未就学児は保育園に入園予定で、家計的には保育料が負担となります。
母親はフルタイムで働いていますが、収入的には決して多くはありません。それ故、就学援助制度を利用したいと思い、申請させていただきます。

上記の記入例の他にも、兄弟のどちらかに障害があるとか、生活保護を受けているとかが申請理由として挙げられます。如何なるケースの場合も、虚偽の申請理由を記入してはなりません。

母子家庭の中には、離婚調停中などのケースも少なくないでしょう。そのようなケースで養育費が支給されていなければ、その事情を申請理由で記載すると良いでしょう。

ただし、元夫の養育費の話を出す時は、子供のためだけに使っていることが明らかになるように書きましょう。あなたのためのお金ではありません。

記入例 ③

我が家は、現在、離婚調停中の母子家庭です。養育費や生活費の援助も受けておらず、生活が困窮しています。

就学援助申請理由の記入例、母子家庭で審査に通るためのポイントとは?

就学援助理由の例文を先に挙げましたが、審査に通る点のポイントをまとめます。

事実を正確に書く

まず、申請書に就学援助理由を記入する際には、事実を正確に記載することが大事です。

事実に反する理由を記載すると、後々に嘘が発覚する恐れがあります。そうなると、審査に通らなくなると言えます。

分かりやすく明確に、そして簡潔に書く

申請理由を記載する際には、分かりやすく明確に述べることが大切です。

簡潔に「所得が低いから」とするだけで通ることもありますが、自治体によっては審査で落とされることもあります。

但し、長々と理由を述べるのも、審査担当者の印象を悪くする可能性があります。長々とした文の場合は、担当者の同情を買おうとする意図が感じられるからです。

人情的には、同じ条件の家庭を比べた場合、印象の良い家庭を選びたくなるでしょう。

家庭の事情は具体的に書く

親が失業中であれば、再就職活動の様子などを伝えることも有効です。再就職先が見つからないと記載すれば、アピール度は高まります。

生活の困窮を訴えるのであれば、家賃や住宅ローンの有無などを挙げるのも良いでしょう。フルタイムで働けない親であれば、具体的な事情を述べておくことが大事です。

例としては、子供の病気や親の介護などが挙げられます。子供に兄弟や姉妹がいるなら、そうした家庭事情を書いておくこともお勧めします。

就学援助申請理由の記入例、母子家庭で書かない方がいいこととは?

自分がどれだけ苦しいのかを伝えたいあまり、就学援助理由欄に色々書き込んでしまうかも知れません。ですが、あまり余分な事を書くと、あなたに後ろめたい事がなくても役所の方であらぬ疑いをかけてしまう事もあり得ます。

わざわざ書かない方が良い内容として、世帯・家族収入などに影響が出ると見なされかねない以下のようなことが挙げられます

親に助けて貰っている

単に「子供を預けている」という意味で使ったとしても、資金援助と取られる

交際相手

内縁関係で同居している(児童扶養手当に影響が出る)のでは、と疑われる

不要品を売却

転売で大きく利益を得ているのではないかと疑われる

客観的に見て、これは援助はいらないのでは?と思われてしまうようなとを書いてしまうと、審査には不利になります。

事実であったとしても、それでも生活が苦しいなら援助は必要ですよね。誤った印象を与えないためにも、審査で不利になるようなことは就学援助理由として書かないようにしましょう。

就学援助申請理由の記入例、よく分からないと悩む前に

申請書類の理由の記入は、そのタイプによって重要度が異なります。奨学金などの倍率の高いものの審査基準の1つとなっている時は、相当吟味する必要があります。

一方、申請者全員が利用出来る制度の場合は、未記入で充分の場合もあります。

今回の就学援助理由は、奨学金ほどは審査は厳しくないですが、申請=援助ではなく、援助にふさわしい世帯かどうかしっかり審査されるので、相応の理由が必要です。

母子家庭でワンオペになっている場合、時間も労力も限られています。書類1枚の記入時間も、決して小さいものではないでしょう。

相手の求めるものを理解した上で、必要に応じて記入し、もしも分からない事があれば独りで悩まず、気軽に担当者に尋ねる、そのような柔軟さが必要でしょう。

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