母子家庭の資格取得を応援、高等職業訓練促進給付金とは

母子家庭で子供がまだ幼くて手がかかる時期は、働くと言ってもパートやアルバイト、という方は多いと思います。できるだけ子供と一緒にいたい、何かあったときに時間のやりくりがしやすいなど、その利用は様々です。

子供がある程度大きくなり手がかからなくなると今度は教育費などがかさんでくるため、パートやアルバイトでは収入が足りず、安定して収入が得られる正社員として働いて、と考えますよね。

ただ一般の事務や工場での作業などは、仕事の負荷はそれほど大きくないかもしれませんが、収入はそれほど期待できないですよね。かといっていくつも仕事をかけもちするのは、時間の制約や体力のことを考えると現実的ではないでしょう。

収入を増やすために有効な方法としてよく言われるのは、資格や技術を身に着けることです。

仕事の中には特定の資格や技術を必要としているものがあり、収入も一般事務より優遇されています。一級建築士やフォークリフトの操縦免許などは、よく耳にする資格、技術ではないでしょうか?

そこまではいかなくても簿記2級を持っている、何かのソフトウエアの操作をマスターしている、といったことも立派な資格で、より高い収入が得られる仕事に就ける可能性がひろがります。

ただ、学ぶ意欲を持っていても金銭的な余裕がない母子家庭では、訓練校などに通うことは難しいと諦めてしまうことがあります。

そんな悩みを解消してくれる制度があるのをご存じでしょうか?それは、高等職業訓練促進給付金です。

ここではこの高等職業訓練促進給付金について、母子家庭の方が利用するための条件や利用するにはどうしたらいいか、紹介していきます。

目次

母子家庭が利用できる高等職業訓練促進給付金とは?

高等職業訓練促進給付金というのは厚生労働省が規定する支援制度で、その概要はホームページで次の様になっています。

制度概要
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の方が資格取得を目指して修業する期間の生活費を支援する制度です。

つまり高等職業訓練促進給付金というのは、母子家庭の人でも費用負担を気にせずに訓練校に通うことができるように、給付金の需給を受けられる制度、ということですね。

母子家庭が利用できる高等職業訓練促進給付金の対象者は?

高等職業訓練促進給付金の対象者となるのは、母子家庭をはじめとするひとり親世帯で20歳未満の子どもを扶養している人、となります。

所得に関する制限が設けられていますが、児童扶養手当の支給条件を満たしている人であれば、受給の対象となることが殆どです。

そしてもう一つ支給の条件となるのが、現在の状況では仕事と育児、訓練校などでの勉強の両立が難しいことです。

母子家庭でこれらの条件を満たせば、訓練中に必要となる生活費の需給を受けることができます。

母子家庭が利用できる高等職業訓練促進給付金、いくらもらえる?

高等職業訓練促進給付金で支給される金額は、母子家庭であっても収入によって異なりますが、市町村民税非課税世帯であれば月額10万円の支給を受けられます。

住民税課税世帯でも月額7万5百円の支給を受けることができるため、訓練校などで勉強を始める前には高等職業訓練促進給付金の対象となるかどうか確認をしておくことがおすすめです。

そんな高等職業訓練促進給付金は、最大4年間利用できる制度です。

通常は最大月額10万円の支給となりますが、最後の1年間は支給額が増額され、月額14万円を受け取ることができます。

そんな高等職業訓練促進給付金を活用すれば、母子家庭の方も当面の生活費を気にすることなく、安心して資格取得や技術習得に向けた勉強が可能ですよね。

さらに、全ての課程が修了した後には、高等職業訓練終了支援給付金も受け取れます。

高等職業訓練終了支援給付金は、市町村民税非課税世帯であれば5万円、課税世帯であれば2万5千円の支給となります。これは訓練が終わったとしても収入が得られるまでには時間がかかることに対する配慮で、こちらも母子家庭にはありがたい支援です。

母子家庭が利用できる高等職業訓練促進給付金が使える資格は?

母子家庭が高等職業訓練促進給付金を受給しながら資格取得を目指すためのもう一つの条件が、資格の内容です。

対象となるのは、就職の際に有利となると都道府県が認めた資格で養成期間が1年以上となるものです。資格によっては6ヶ月の養成期間でも対象となることがあります。

例として、厚生労働省のホームページでは月のような資格が挙げられています。

国家資格

  • 看護師
  • 准看護師
  • 保育士
  • 介護福祉士
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 調理師
  • 製菓衛生師等

民間資格

  • シスコシステムズ認定資格
  • LPI認定資格等のデジタル分野等

看護師や准看護師、保育士など様々な資格が、高等職業訓練促進給付金の対象となっています。その大半が、就職の際に有利となる国家資格です。

介護の仕事をするにしても、国家資格となる介護福祉士などの資格を持っていれば条件が良い仕事を目指しやすくなります。

またこれらの資格のほかに

教育訓練給付の対象講座を受講して取得する資格(一部を除く)

も対象になっています。

収入アップのために異業種への転職を考えている場合は勿論、同業種で収入アップを目指したいという場合も、高等職業訓練促進給付金を活用して新たな資格取得を検討しておくことが有効です。

国家資格の取得に向いた制度となる高等職業訓練促進給付金ですが、IT系の民間資格の取得が対象となることもあります。

母子家庭におすすめの資格としては、今は介護関係でしょう。高齢化が進む日本では、介護に関わる人が不足しており、いつも多くの求人があります。

介護関係の資格にも色々とありますが、母子家庭の方でも比較的取りやすいのは介護福祉士です。看護師や作業療法士などもありますが、専門の大学を出ていないと取れないので母子家庭には難しいでしょう。

介護福祉士の場合は専門の大学を出ていなくても、介護福祉士実務者研修を受け実績を積めば資格が取れるので、母子家庭の方でも取り組みやすくなっています。年収の相場は300万円ほどです。

対象となる資格は期間限定となっていることもあるため、目指す資格が決まっている場合は、高等職業訓練促進給付金を受けるための条件をこまめにチェックしておくことがおすすめです。

母子家庭が利用できる高等職業訓練促進給付金、注意点はある?

母子家庭で高等職業訓練促進給付金を利用する際の注意点が、扶養している子どもの年齢です。支給を受けている間に、子どもが20歳になった場合は、誕生月で支給が打ち切られることになります。

訓練終了時に受け取ることができる高等職業訓練終了支援給付金も、終了時に子どもが20歳となっていれば支給対象外となってしまいます。

それだけに、母子家庭で訓練校を終了するまで給付金を受け取りたいという場合は、子どもが20歳になるまでに課程を修了できるタイミングで訓練校に通い始めるようにしましょう。

所得や子どもの年齢、資格の種類などいくつかの条件がある高等職業訓練促進給付金ですが、上手く活用をすれば母子家庭でも就職に有利な資格を取得しやすくなります。

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