母子家庭の引越し費用、おすすめの貸付制度とは?

引っ越しには思っている以上にお金がかかります。そのため、家計が厳しい母子家庭の中には、引っ越し費用を理由に引っ越しできずにいる、という方も結構いるのではないでしょうか?

そういった母子家庭世帯の支援を目的として、引っ越し費用を貸付してくれる制度があります。

貸付なので返済に義務はありますが、一般的な貸付よりも割安で利用することができるので、母子家庭でも返済の負担はそれほど大きくならないようになっています。

そのため、母子家庭で収入アップのために仕事を変わるけど職場が遠いので引っ越しをしたい、といった方によく利用されています。

ここでは母子家庭の方が利用できる引っ越し費用の貸付の詳しい内容と、利用する際の注意点を紹介します。

目次

母子家庭の引っ越し費用、おすすめの貸付制度は?

母子家庭が利用できる引っ越し費用の貸付は「母子父子寡婦福祉資金貸付金」と呼ばれ、内閣府男女共同参画局のHPでは、次のように記載されています。

【母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の利用方法】
 20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等に貸し付けられます。

同居している子供が20歳未満の母子家庭の方が利用できる引っ越し費用、ということですね。

貸付の対象になっているのは「事業開始資金」や「修学資金」、「就職支援資金」などがあり、この中にある「転宅資金」が引っ越し費用に利用することができます。

この母子父子寡婦福祉資金貸付金は母子家庭を含めたひとり親家庭世帯が利用でき、引っ越し費用として260,000円を上限に、国から費用を貸付してもらうことができます。

この制度の助かるところは、連帯保証人を立てることができれば無利子で利用できることです。また保証人を立てることができないという場合でも、利率は年1.0%でかなり低くおさえられています。

母子家庭の中には様々な事情で保証人は難しいという方もいますので、この低金利はとても助かりますよね。

ただし、いずれも3年以内に返済を終える必要があり、母子家庭でもどんな理由があっても守らなくていけないので、返済の目処があることが利用の大前提となります。

母子家庭の引っ越し費用、おすすめの貸付制度の審査は?

母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用するには、居住地の自治体に申請する必要があります。このことはつまり、転居先が決まらないと引っ越し費用の貸付は利用ができないということになりますが、大抵は引っ越し先は決まっているので問題はないでしょう。

ただし、母子家庭なら誰でも利用できるというわけではなく、審査があります。そしてこの審査には明確な基準がありません。

基準がわからなければ、審査に通るためにはどうしたらいいかわからないですよね。そのような状況の中でも一般的に言われているのは、「絶対に返済する強い意志を示すこと」です。

貸付の場合、普通は年齢や職業、安定した収入などが審査の対象になっています。もちろんそういった要素も重要なのですが、母子父子寡婦福祉資金貸付金の場合は、「返済の強い意志」が一番の審査基準になっています。

これは、この制度のそもそもの目的が、母子家庭をはじめとする経済的に困窮している利用者の経済的な自立支援であり、自立のためには決められた約束は必ず守るという、強い意志が求められるからです。

たとえば岐阜県のHPには、

経済的自立の助成と生活意欲の助長を図るという制度の趣旨から、経済状態が困窮しており、将来必ず償還する意思のある母子家庭等が貸付けの対象となります。

と明記されています。

制度の利用のためにHPを訪れたとしても、さらっと見逃してしまいがちですが、これが審査では一番重要視されていることがわかりますよね。

母子家庭で仕事はパートやアルバイトでも基本、問題はありません。また申請時に無職であっても、その先働いて収入を得ることが明確になっていて返済する強い意志が示すことができれば、絶対ではありませんが審査に通る可能性は高くなります。

母子家庭の引っ越し費用、貸付制度の審査はこうすれば通る?

母子家庭で母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の審査に通るためには、はずせない点がいくつかあります。

返済の強い意志

引っ越し費用の貸付を申請するときは申請用書類等を持って担当の窓口に行きますが、この時、先にも書きましたが、絶対に期限内に全額返済する、という意思をあらわすことです。

収入証明書があるのであれば、毎月いくら返済します、いつ返済は終わります、といった具合です。もし病気や怪我などで申請する時に収入がない場合でも、いつから働き、いくら収入があるので返済できます、と意思表示をするのです。

母子家庭で仕事はパートでも引け目を感じる必要はありません。子供との新しい生活のためにも、堂々と「返済します」「返済できます」と言いましょう。

また、転宅資金は引っ越し費用に使われることが多いので、あらためて引っ越しする話をする必要はありませんが、なぜ利用するのかは、しっかりと説明しておくようにします。

提出書類

審査を受けるには、申請書のほかに提出が必要な書類がいくつかあり、準備が必要です。準備がしっかりしていると、ちゃんと返済する意思があると好意的に判断されるので、どのような書類が必要なのか、事前に自治体に確認しておくようにします。

一般的には以下の書類が必要です。

  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • 収入証明書(源泉徴収票、給与明細など)
  • 印鑑証明
  • 納税証明書
  • 家計の収支と内訳を記した書類(家計簿等)

母子家庭であることを証明するために、戸籍謄本が必要です。また、扶養する子供が同居している証明として、住民票が要ります。

保証人がいる場合は上記に加え、

  • 保証人の収入証明書
  • 保証人の印鑑証明

が必要になります。

引っ越し費用として転宅費用を申請するのであれば、その詳しい見積もりが必要です。引っ越し業者に依頼して作ってもらいましょう。

このほかにも自治体によって必要としている書類がある場合は、必ず提出します。

母子家庭の多くは忙しい毎日を送っており、こうした書類を手際よく揃えるのは大変ですが、書類をきちんと揃えたり、事前にどのような書類が必要か確認するのは、実は「きちんと返済する意思をあらわす」とみなされ、審査には有利になることも覚えておきましょう。

借入金額

借入の金額も審査に影響してきます。

借入が可能な金額には上限があります。引っ越し費用が上限以上であれば、その金額で借入を申請しても問題ありません。

しかし、必要な金額が上限より少ないにもかかわらず上限まで借入を申請すると、引っ越し費用以外での目的に利用するのでは、と思われて審査に通らなくなります。

借り入れできる金額は必要な金額までです。引っ越し費用の見積額が190,000円であれば、上限は260,000円ですが申し込みは190,000円にしなくてはなりません。

家計の収支から借り入れが必要な引っ越し費用を計算し、申請時に申告します。母子家庭で生活が苦しいと、少しでも多くと思うかもしれませんが、その金額以上の申請は控えるのが賢明です。

母子家庭の引っ越し費用、貸付制度の手続きは?

母子父子寡婦福祉資金貸付金の手続きは、次のようになります。

1. 市役所で担当者と面談する

引っ越し先を管轄する市役所に出向き、制度の担当者と面談をします。

借入を許可できるか判断するために、必要な引っ越し費用の明細、家計の収支、収入、仕事の形態、母子家庭であること、家族構成、保証人の有無等、詳しく聞かれます。

2. 申請

担当者が、引っ越し費用として貸付が必要、金額等も問題ないと判断すれば、次は申請です。

担当者から申請書類を渡され、詳しく説明があるので、それに従い記入します。記入出来たら上記の必要書類と一緒に担当者に提出します。

3. 審査

提出した資料が届くと審査が行われます。

面談での内容、申請書類から、貸付が可能が審査されます。返済計画や返済する強い意志など、返済に問題ないと判断されれば許可がおります。

4. 貸付金請求書を提出

審査が終わると結果の通知が届きます。

通っていれば貸付決定通知書が届きます。通知書には借入金額、返済期限、返済日などが書かれているので、引っ越し費用として申請した金額になっているか、必ず確認しましょう。

貸付決定通知書と一緒に、借用書、貸付金交付請求書も入っているので、必要事項を記入し、申請したのと同じ窓口に提出します。

5. 貸付

送った借用書、貸付金交付請求書を確認し、問題がないことがわかれば貸付が行われます。指定した振込先に希望した引っ越し費用が振り込まれていることを確認しましょう。

母子家庭の引っ越し費用、貸付制度の審査で大事なことは?

母子父子寡婦福祉資金貸付金の申請は、申請書を書き、必要書類を揃えて提出、そして面談をして審査が通れば貸付が決定します。

手続きの手順に特に難しいところはありません。制度を利用したことがない母子家庭の方でもできるでしょう。問題は面談です。面談で審査が決まる、といっても過言ではありません。繰り返しますが、ここで返済の強い意志を示し、認めてもらえるかが審査を左右します。

そして借入金額の申請は必要最低限にする、この2つができれば、母子家庭でも審査に通る可能性は非常に高くなるので、しっかり準備して臨みましょう。

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