小学校のPTA役員を決める時期になると、「仕事があるから役員はできない」「平日の昼間に集まるなら絶対に参加できない」と悩む人もいるでしょう。
特にフルタイム勤務やシフト勤務、シングルマザー家庭では、PTAのために何度も仕事を休むことが難しい場合があります。
一方で、「仕事を理由に断ったら嫌な顔をされそう」「みんな忙しいと言われたらどうしよう」と考え、無理に引き受けてしまう人もいます。
PTAの運営方法や役員選出のルールは学校ごとに違います。まずは何を、いつ、どのくらいする役なのかを確認し、自分が本当にできない部分と、できる可能性がある部分を分けて考えることが大切です。
仕事が忙しくてPTA役員ができないとき、まず何を確認する?
「役員」と聞いただけで難しいと思っても、担当によって活動量はかなり違うことがあります。
引き受けるか断るかを決める前に、次の点を確認してみましょう。
- 年間で何回集まりがあるか
- 集まりは平日昼・平日夜・土日のどこが多いか
- 1回の活動時間はどのくらいか
- 自宅でできる作業があるか
- オンラインで参加できるか
- 担当者同士で仕事を分担できるか
- 欠席した場合の扱いはどうなるか
年に数回だけの活動なら対応できる場合もありますし、反対に平日の昼間に頻繁な活動があるなら仕事との両立が難しいこともあります。
「仕事があるから無理」は理由として伝えていい
仕事の予定とPTA活動が両立できないのであれば、その事情を伝えて構いません。
ただし、「仕事なので無理です」だけで終えるより、参加できない条件を具体的に伝えた方が話が進みやすくなります。
平日は17時まで勤務しており、日中の集まりには参加できません。仕事を休んで定期的に参加することも難しい状況です。
このように「平日日中は参加できない」「毎月休暇を取ることは難しい」など、自分の制約を説明します。
家庭の事情を細かくすべて話す必要はありません。
PTA役員を断るときの伝え方
断るときは、長い言い訳をするより、できない理由と結論を簡潔に伝える方が分かりやすくなります。
現在の勤務状況では平日の活動に継続して参加することが難しいため、今年度の役員をお引き受けすることができません。
もし一部なら協力できる場合は、続けて次のように伝えてもよいでしょう。
役員として定期的に参加することは難しいのですが、土日の行事や自宅でできる作業であれば、日程が合う範囲で協力できます。
「全部できる・全部できない」の二択ではなく、可能な範囲を示す方法もあります。
「みんな仕事をしている」と言われたらどうする?
役員選出の場で、「今はみんな仕事をしています」「忙しいのは同じです」と言われることもあります。
確かに、多くの保護者が仕事や家庭の予定を抱えています。
しかし、勤務時間、休暇の取りやすさ、家族の人数、送迎の有無など、実際の条件は家庭ごとに違います。
そのため、ほかの家庭と忙しさを比較するより、自分が継続して担当できるかどうかを基準に考えましょう。
「仕事をしていること」だけを繰り返すのではなく、「平日の日中は勤務のため参加できず、代理で参加できる家族もいません」のように具体的な制約を伝えると話が整理しやすくなります。
シングルマザーは「代わりに行ける家族がいない」ことも伝えていい
夫婦で子育てしている家庭なら、一方が参加できない日にもう一方が対応できる場合があります。
しかし、シングルマザー家庭では、仕事を休む人も、子どもの送迎をする人も自分一人ということがあります。
その場合は、必要であれば「家庭内で役割を交代できる大人がいない」という点まで伝えて構いません。
ただし、離婚理由や家庭の詳しい事情まで説明する必要はありません。
役員を断れない雰囲気なら、活動内容の調整を相談する
学校や地域によっては、役員候補になった後に断りにくい雰囲気があるかもしれません。
その場合は、「できません」と伝えるだけでなく、担当や活動方法を変更できないか相談する方法があります。
- 平日日中の活動が少ない役に変更する
- 自宅でできる資料作成を担当する
- 連絡や集計などオンラインでできる作業を担当する
- 土日の行事だけ参加する
- 複数人で仕事を分担する
PTA側も人手不足で困っている場合、「全くできない人」と「一部ならできる人」では調整方法が変わります。
平日昼の集まりに参加できない場合
働く保護者にとって特に難しいのが、平日昼間の会議や作業です。
勤務中の参加が難しい場合は、次のような代替方法がないか確認してみましょう。
- 議事録を後から確認する
- オンライン参加にする
- 事前に意見を送る
- 夜や土日の担当業務を引き受ける
- 別の担当者と役割を交換する
「会議に出席すること」と「PTAの仕事をすること」を分けて考えると、参加できる方法が見つかる場合があります。
有給休暇をPTAのために毎回使う必要はある?
PTA活動のために年次有給休暇を使う人もいますが、家庭や職場によって休暇を使える余裕は違います。
子どもの病気、学校行事、通院などにも休暇が必要になる家庭では、PTAの集まりのたびに有給休暇を使うことが難しい場合があります。
「有給を取れば参加できますよね」と言われても、休暇の使い方を他人が決めるものではありません。
継続的に休暇を取得しなければできない役なら、その条件自体が自分の働き方に合っているかを考えましょう。
仕事を理由に断ると子どもに影響する?
「役員を断ったら子どもが学校で困るのでは」と心配する人もいます。
保護者同士の活動と、子どもが学校で受ける教育は分けて考える必要があります。
不安がある場合は、PTAの担当者だけでなく学校にも制度や運営方法を確認してみましょう。
周囲との関係を気にして無理な役を引き受け、仕事や家庭生活が崩れてしまう方が負担は大きくなります。
PTAは「できる人が全部やる」形にしない方が続きやすい
役員になると、責任感からすべて自分でやろうとしてしまう人もいます。
しかし、学校行事の準備、印刷、連絡、集計などを一人で抱えると負担が大きくなります。
できるだけ作業を細かく分け、複数人で担当できないか相談しましょう。
- 資料作成
- 印刷
- 当日の受付
- 参加者への連絡
- 集計
- 片付け
「役員だから全部参加」ではなく、担当業務だけ責任を持つ形にすると、仕事をしている人も参加しやすくなります。
LINEやオンラインツールで済む作業を増やせないか提案する
PTA活動の中には、必ず集まらなくてもできる作業があります。
- 日程調整
- 資料の確認
- アンケート
- 出欠確認
- 簡単な打ち合わせ
これらをオンラインで行えば、仕事帰りに学校へ集まる回数を減らせる場合があります。
自分だけ楽をするためではなく、ほかの働く保護者にも負担が少なくなる提案として伝えると受け入れられやすくなることがあります。
一度引き受けたけれど仕事との両立が難しくなったら
役員を引き受けた後に、転職、勤務時間の変更、家族の事情などで活動が難しくなることもあります。
その場合は、限界まで無理をしてからではなく、難しいと分かった時点で早めに相談しましょう。
- 参加できない曜日を伝える
- 担当業務を変更できないか相談する
- ほかの役員と仕事を分担する
- 必要なら役員交代について相談する
黙って欠席が続くより、できる範囲を早めに共有した方が周囲も予定を組みやすくなります。
役員選出の場でその場で返事しなくてもいい場合がある
突然「今年お願いします」と言われると、断りにくくて反射的に引き受けてしまうことがあります。
仕事内容や日程が分からないなら、確認してから回答できないか聞いてみましょう。
勤務との調整が必要なので、活動日と年間予定を確認してからお返事してもよいでしょうか。
一度持ち帰れば、仕事の予定や家庭の状況を落ち着いて確認できます。
断る理由を何個も並べなくていい
断るときに、「仕事が忙しくて、親も遠方で、子どもの習い事もあって……」と理由を増やしたくなることがあります。
しかし、説明が長くなるほど「それならこの日は?」「習い事を変更できませんか?」と一つずつ解決策を提案され、かえって断りづらくなる場合があります。
「現在の勤務状況では継続的な活動参加が難しいため、お引き受けできません」のように、必要な範囲だけを伝えれば十分です。
PTAで保護者同士の関係が悪くなるのが怖いとき
役員を断ることより、断った後の人間関係が心配という人もいるでしょう。
その場合は、普段の挨拶や学校行事での最低限のやり取りを丁寧にしておけば十分です。
役員を引き受けられないことと、ほかの保護者との関係をすべて断つことは別です。
可能な学校行事で協力できることがあれば参加するなど、自分にできる範囲で関わる方法もあります。
PTA役員を引き受ける前のチェックリスト
- □ 年間の活動回数を確認した
- □ 平日昼の活動が何回あるか確認した
- □ 仕事を休まず参加できるか考えた
- □ オンライン参加が可能か確認した
- □ 自宅でできる仕事があるか確認した
- □ 欠席した場合の扱いを確認した
- □ ほかの担当者と分担できるか確認した
- □ 子どもの病気や学校行事に使う休暇も考えた
- □ 家庭生活に無理が出ないか考えた
- □ 難しい場合は早めに事情を伝えた
仕事でPTA役員ができないなら「できない条件」を具体的に伝える
仕事をしていると、PTA役員の活動時間と勤務時間がどうしても合わないことがあります。
その場合は、無理に引き受けて後から参加できなくなるより、最初に勤務状況を伝えて相談する方が現実的です。
平日日中は参加できない、定期的に仕事を休めない、代わりに対応できる家族がいないなど、自分が難しい条件を簡潔に伝えましょう。
一方で、自宅でできる作業や土日の活動なら協力できる場合は、その範囲を示す方法もあります。
PTAの活動方法は学校ごとに違います。周囲と同じ働き方をする必要はなく、自分の仕事と家庭生活を維持できる範囲で関わり方を考えていきましょう。
