朝起きたら子どもの体が熱い。体温を測ると38度。けれど、その日は仕事を休みにくい――。
子育てをしながら働いていると、このような状況に突然直面することがあります。
特にシングルマザー家庭では、「今日は父親に任せる」という選択肢がなく、自分が休めなければ誰が看病するのかという問題まで一度に考えなければならないことがあります。
子どもが熱を出したときに大切なのは、無理に出勤する方法を探すことではなく、子どもの看病を確保したうえで、使える制度や預け先を順番に確認することです。
子供が熱を出して仕事を休めないとき、まず何をする?
朝の忙しい時間に子どもが発熱すると、何から手を付ければよいか分からなくなりがちです。
次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 子どもの体調を確認する
- 保育園・学校へ欠席連絡をする
- 職場へ早めに連絡する
- 自分が休める制度を確認する
- 休めない場合は病児保育や家族などの預け先を確認する
- 翌日以降の対応も考える
「誰かに預けられるか」を先に考えたくなりますが、まずは子どもの状態を見てください。
高熱、強いだるさ、呼吸が苦しそう、水分が取れないなど、普段と明らかに様子が違う場合は、仕事の調整より受診や医療相談を優先する必要があります。
子供の発熱で使える「子の看護等休暇」を確認する
子どもの病気やけがの看護のために利用できる制度として、「子の看護等休暇」があります。
2025年4月から制度が拡充され、対象となる子どもの範囲は小学3年生修了までになっています。
対象となる子どもが1人の場合は1年度に5日まで、2人以上の場合は10日まで取得できます。また、1日単位だけでなく、時間単位で取得することも可能です。
病気やけがをした子どもの看護のほか、予防接種・健康診断、感染症による学級閉鎖等、入園式・入学式・卒園式なども対象になっています。
パートやアルバイトでも、条件に該当すれば対象になります。ただし、労使協定によって週の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となっている場合があります。
制度の扱いや賃金の有無などは勤務先の就業規則によって異なるため、会社の規定を確認してください。
「今日は絶対に休めない」と思っても、まず職場へ相談する
忙しい日や人手不足の日に子どもが熱を出すと、「今日は絶対に休めない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、自分だけで「休めない」と決める前に、上司や責任者へ事情を伝えてみましょう。
職場によっては、次のような調整ができる場合があります。
- 有給休暇を取得する
- 子の看護等休暇を利用する
- 遅刻や早退に変更する
- 勤務時間を短くする
- 別の日とシフトを交換する
- 在宅勤務へ変更する
- 時間単位の休暇を利用する
「丸一日休む」以外の選択肢が見つかれば、仕事への影響を抑えながら子どもの対応ができることもあります。
職場への連絡はできるだけ早くする
欠勤や遅刻の可能性が分かったら、できるだけ早く職場へ連絡しましょう。
長い説明をする必要はありません。
伝える内容は次の4点程度で十分です。
- 子どもが発熱したこと
- 今日は出勤できるかどうか
- 受診予定など現在分かっていること
- 翌日の勤務について、いつ再連絡するか
たとえば、「子どもが今朝から発熱しており、本日は看病のためお休みを相談したいです。受診後、明日の出勤について夕方までにご連絡します」のように、状況と次の連絡予定をセットで伝えると分かりやすくなります。
病児保育・病後児保育を確認する
どうしても仕事を休めないときの選択肢の一つが、病児保育や病後児保育です。
病児保育は、病気のため通常の保育園や学校へ行けない子どもを、専用施設などで一時的に預かる仕組みです。
ただし、利用方法は地域や施設によって異なります。
- 事前登録が必要
- 医師の診察や書類が必要
- 当日の予約が必要
- 定員がある
- 利用できない症状や感染症がある
発熱した当日の朝に初めて探すと間に合わないこともあります。
子どもが元気なうちに、自宅や職場の近くにどの施設があるか、登録方法や利用時間、料金などを確認しておくと安心です。
祖父母や親族へ頼める場合は「お願いできる条件」を決めておく
祖父母や親族へ看病をお願いできる家庭もあります。
ただし、発熱のたびに突然頼むより、事前に「どの程度ならお願いできるか」を話しておく方がスムーズです。
- 平日の何時なら対応できるか
- 自宅へ来てもらえるか
- 子どもを預けに行く必要があるか
- 感染症の可能性がある場合も頼めるか
- 薬を飲ませてもらえるか
高齢の祖父母などは感染症によるリスクが高い場合もあるため、無理に頼ることは避けましょう。
在宅勤務ができても「看病しながら通常勤務」は難しいことがある
勤務先にテレワーク制度がある場合、「今日は在宅勤務に変更できませんか」と相談できることがあります。
通勤がなく、子どものそばにいられる点は大きなメリットです。
ただし、熱のある子どもの看病をしながら、普段と同じペースで仕事ができるとは限りません。
水分補給、食事、トイレ、受診などで何度も仕事を中断することもあります。
在宅勤務へ変更する場合も、上司には子どもを看病しながら働くことを伝え、勤務量や会議参加について相談しておきましょう。
小学生なら一人で留守番させて出勤していい?
普段は留守番できる小学生でも、発熱している日は事情が違います。
体調が急に悪化したり、吐いたり、強い不安を感じたりする可能性があります。
普段一人で留守番できるからという理由だけで、病気の日も長時間一人にするのは慎重に判断してください。
特に低学年、症状が強い場合、初めての高熱、何度も吐いている場合などは、大人がそばで様子を見られる環境を確保する方が安心です。
子供の熱が何日も続いた場合を考えておく
困るのは発熱初日だけではありません。
感染症などでは数日休むことになったり、熱が下がってもすぐ登園・登校できなかったりすることがあります。
初日に休めたとしても、「明日も休めるのか」と新たな問題が出てきます。
そのため、初日のうちに次の日以降の候補を考えておくと安心です。
- 1日目は自分が休む
- 2日目は病児保育を利用する
- 3日目は親族に相談する
- 午前だけ休み、午後から交代する
- 在宅勤務できる日を作る
一つの方法だけで何日も乗り切ろうとせず、複数の手段を組み合わせる方が現実的です。
シングルマザーは「緊急時の3つの候補」を作っておく
一人で子育てしていると、子どもの発熱時に頼れる選択肢が少なくなりがちです。
そこで、元気なときに「緊急時の候補」を3つ程度作っておくと、朝になってから慌てにくくなります。
- 候補1:自分が取得できる休暇
- 候補2:病児保育・病後児保育
- 候補3:祖父母・親族など頼れる人
さらに在宅勤務、ファミリー・サポート・センターなど、地域で利用可能な支援も確認しておくと選択肢を増やせます。
仕事を休むたびに強く責められるなら職場環境も見直す
子どもの発熱で休むことに申し訳なさを感じる人は多いでしょう。
周囲へ負担がかかることはありますが、子どもの病気は完全に防げるものではありません。
日頃から早めの連絡を心掛けたり、出勤できる日に周囲をフォローしたりすることは大切ですが、毎回強く責められたり、制度を利用しにくかったりする状態が続くなら、働き方そのものを見直すことも選択肢です。
子育て中のスタッフが多い、仕事をチームで分担している、急な欠勤時のルールが決まっているなど、子育てと両立しやすい職場もあります。
子供の熱で仕事を休めないときのチェックリスト
- □ 子どもの症状を確認した
- □ 保育園・学校へ連絡した
- □ 職場へ早めに連絡した
- □ 有給休暇を確認した
- □ 子の看護等休暇を確認した
- □ 時間単位の休暇が使えるか確認した
- □ 病児保育の空きを確認した
- □ 頼れる親族へ相談した
- □ 在宅勤務へ変更できるか確認した
- □ 翌日以降の対応も考えた
「休めない」と一人で抱え込まず、使える選択肢を順番に確認する
子どもが熱を出した日に仕事を休めないと、仕事と子どもの間で追い詰められたように感じることがあります。
しかし、対応方法は「仕事を休む」か「子どもを置いて出勤する」かの二択ではありません。
子の看護等休暇、有給休暇、時間単位の休暇、病児保育、親族への依頼、在宅勤務などを組み合わせることで、その日の状況に合った方法を見つけられることがあります。
そして一番効果的なのは、子どもが元気なときに準備しておくことです。
勤務先の制度、病児保育の場所、緊急時に頼れる人を一度整理しておけば、突然の発熱でも慌てず対応しやすくなります。
