子どもの発熱でパートを休むたびに、「また休みの連絡をしないといけない」「周りに迷惑をかけている」「こんなに休むなら辞めた方がいいのかな」と苦しくなることがあります。
特に保育園や小学校へ通い始めた時期は、発熱や感染症が重なり、数週間のうちに何度も仕事を休むこともあります。
シングルマザーの場合、自分以外に看病できる人がいなければ、仕事を休む回数を自分だけの努力で減らすのには限界があります。
「休みすぎだから辞める」とすぐに結論を出す前に、使える休暇制度、職場でできる調整、病児保育などの預け先、それでも続けにくい場合の転職という順番で考えてみましょう。
子供の発熱で仕事を休みすぎるのは珍しいこと?
子どもは大人より急に体調を崩しやすく、特に集団生活を始めたばかりの時期は感染症などで欠席が続くことがあります。
昨日まで元気だったのに朝になって発熱し、数日後に復帰したと思ったら翌週に別の症状が出る、といったこともあります。
そのため、「今月すでに3回休んだ」という事実だけを見て、自分の働き方が悪いと決めつける必要はありません。
重要なのは回数だけではなく、休みが必要になったときに職場へ早めに連絡できているか、利用できる制度を確認しているか、今の職場が子育てと両立可能な環境かという点です。
「休みすぎ」と感じる基準は職場によって違う
「月に何日休んだら休みすぎ」という全国共通の基準があるわけではありません。
同じ月3日の欠勤でも、20人で仕事を分担している職場と、2人だけで店舗を回している職場では影響が違います。
また、年次有給休暇や子の看護等休暇として取得しているのか、通常の欠勤なのかによっても扱いが異なります。
周囲の雰囲気だけで「休みすぎ」と判断せず、自分がどの制度を利用しているのか、勤務先の就業規則ではどのようになっているのかを確認しましょう。
パートでも「子の看護等休暇」を使える場合がある
子どもの病気やけがの看護には、育児・介護休業法に基づく「子の看護等休暇」を利用できる場合があります。
2025年4月から対象範囲が広がり、小学3年生修了までの子どもを養育する労働者が対象です。
対象となる子どもが1人なら1年度に5日、2人以上なら10日まで取得でき、原則として時間単位の取得もできます。
パートだから一律に対象外という制度ではありません。ただし、労使協定がある場合、週の所定労働日数が2日以下の労働者は対象から除外されることがあります。
休暇中の賃金が有給か無給かは勤務先の規定によって異なります。まず就業規則や人事担当者に確認してください。
子の看護等休暇を取ったことだけを理由に不利益な扱いはできない
育児・介護休業法では、子の看護等休暇を申し出たり取得したりしたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁止されています。
「制度を使ったらクビになるのでは」と不安な場合は、この点も知っておきましょう。
ただし、これは「子どもの理由ならどのような欠勤でも無制限に問題にならない」という意味ではありません。
子の看護等休暇の日数を超えた欠勤や、勤務契約上の扱いについては個別の状況によって異なります。心配な場合は会社の人事担当者や都道府県労働局などへ確認すると安心です。
休みの連絡がつらいときは伝える内容を固定する
何度も休むと、電話をかけること自体が大きなストレスになることがあります。
そのたびに長く謝ろうとすると、さらに負担が増えます。
連絡では、次の内容を簡潔に伝えれば十分です。
- 子どもが発熱したこと
- 本日の出勤が難しいこと
- 必要な引き継ぎがあれば伝える
- 翌日の勤務についていつ再連絡するか
たとえば、「子どもが今朝から発熱しており、本日の勤務をお休みさせていただきたいです。ご迷惑をおかけします。明日の勤務については受診後、夕方までに改めてご連絡します」といった形です。
必要な情報を伝えたら、それ以上何度も謝る必要はありません。
休んだ翌日はどう振る舞えばいい?
出勤した翌日に、「昨日はありがとうございました」と一言伝えるだけでも十分です。
毎回菓子折りを持って行ったり、一人ひとりに何度も謝罪したりする必要はありません。
代わりに、普段の勤務でできることを丁寧に行いましょう。
- 出勤できる日は時間を守る
- 引き継ぎを分かりやすくする
- 自分が手伝えるときは周囲をフォローする
- 休む可能性が分かった時点で早めに連絡する
一度も休まないことではなく、日頃から一緒に働きやすい状態を作ることの方が長期的には重要です。
「私の代わりを自分で探して」と言われる場合
職場によっては、急に休む際に「代わりに出られる人を自分で探してください」と言われることがあります。
子どもが高熱を出している横で何人もの同僚へ連絡するのは大きな負担です。
まず勤務先の欠勤ルールを確認し、急な体調不良時のシフト調整を誰が行うことになっているのかを上司へ確認してみましょう。
毎回自分だけで代替要員を確保しなければ休めず、それが継続的な負担になっているなら、その職場が現在の家庭状況に合っているかを考える材料になります。
病児保育を事前登録しておく
「発熱したら毎回自分が休む」以外の選択肢として、病児保育があります。
病児保育は、病気のため通常の保育園などを利用できない子どもを、専用施設などで一時的に預かる仕組みです。
ただし、施設によって利用条件は異なります。
- 事前登録が必要
- 医療機関の受診が必要
- 医師の書類が必要
- 当日予約が必要
- 定員に達すると利用できない
子どもが発熱した朝にゼロから探すのではなく、元気なうちに自宅周辺の施設を2~3か所確認しておくと安心です。
休む日を「丸1日」から減らせないか考える
家庭や職場の状況によっては、丸一日休む以外の方法が使えることがあります。
- 午前だけ休んで午後から親族と交代する
- 時間単位の休暇を利用して受診だけ付き添う
- 在宅勤務へ変更できるか相談する
- 別の日とシフトを交換する
- 勤務開始時間を遅らせる
- 病児保育が始まる時間から出勤する
職場に制度がなくても、個別に相談すると調整できる場合があります。
「休むか出勤するか」の二択だけで考えず、途中から勤務する方法も含めて相談してみましょう。
祖父母を頼れないシングルマザーは外部の選択肢を多めに持つ
「近くに祖父母がいる人はいいけれど、私は誰にも頼れない」という人もいます。
その場合は、親族以外の選択肢を複数調べておくことが重要です。
- 自治体の病児・病後児保育
- ファミリー・サポート・センター
- 民間の病児対応サービス
- 勤務先の育児支援制度
- 在宅勤務や勤務時間変更
サービスによって病気の子どもには対応できない場合もあるため、平常時に利用条件を確認しておきましょう。
休みすぎが理由で人間関係がつらくなったとき
仕事そのものより、「また休むの?という顔をされる」「同僚に嫌味を言われる」といった人間関係がつらくなることもあります。
まずは、実際に何を言われたのかと、自分がそう感じているだけなのかを分けて考えてみましょう。
周囲が忙しそうにしているだけでも、休んだ直後は「私のせいで怒っている」と感じやすくなることがあります。
一方、繰り返し嫌味を言われる、制度利用を妨げられるなど明確な問題があるなら、一人で抱えず上司や人事担当者に相談する方法があります。
「もうパートを辞めたい」と思ったときに確認したいこと
欠勤のたびに強いストレスがかかると、勢いで退職したくなることがあります。
退職を決める前に、次の項目を確認してみてください。
- 仕事内容そのものは嫌いなのか
- 急な休みへの対応だけがつらいのか
- 上司に勤務時間や日数を相談したか
- 子の看護等休暇などを確認したか
- 病児保育などを利用すれば続けられそうか
- 勤務日を週5日から週4日にすると変わるか
- 子育て中の人が多い部署へ移れないか
問題が「職場」ではなく「現在の勤務条件」だけなら、退職せずに改善できる可能性があります。
それでも転職を考えた方がいいケース
工夫しても両立が難しい場合は、転職を考えることも選択肢です。
- 子どもの発熱のたびに強く責められる
- 急な欠勤に対応する仕組みがほとんどない
- 常に最低人数で勤務している
- 自分しかできない仕事が多い
- 子育て中のスタッフがほとんどいない
- 学校や保育園から職場まで遠すぎる
- 勤務時間を短くしてもらえない
- 精神的な負担が大きく、働き続けるのが難しい
このような場合は、「自分がもっと頑張れば休まずに済む」と考えるより、急な休みが発生しても業務を回せる職場へ移る方が長く働けることがあります。
次のパートでは「時給」より先に確認したいこと
転職する場合、同じ問題を繰り返さないためには職場選びが重要です。
- 同じ時間帯に何人働いているか
- 子育て中のスタッフがいるか
- 子どもの急病時はどう対応しているか
- シフト変更を相談できるか
- 学校行事で休めるか
- 一人勤務があるか
- 自宅や学校から近いか
時給が少し高い職場でも、一人休むと仕事が回らなくなる環境では、同じ悩みが再発する可能性があります。
「休みやすい職種」を探すより、「一人休んでも仕事を分担できる職場」を探すことを意識するとよいでしょう。
子供の発熱が続く時期を乗り切るチェックリスト
- □ 勤務先の子の看護等休暇を確認した
- □ 年次有給休暇の残日数を確認した
- □ 病児保育へ事前登録した
- □ 緊急時に頼れる人を確認した
- □ 欠勤時の連絡方法を確認した
- □ 勤務日数や時間を減らせないか相談した
- □ 在宅勤務の可否を確認した
- □ 今の職場で半年後も働けそうか考えた
- □ 難しい場合は次の仕事の条件を書き出した
休みすぎだから辞めるのではなく「続けられる働き方か」で判断する
子どもの発熱で仕事を何度も休むと、「職場に迷惑をかけるくらいなら辞めよう」と考えてしまうことがあります。
しかし、子育て中に急な休みが必要になることを完全になくすのは難しいものです。
だからこそ、目指したいのは「絶対に休まないこと」ではありません。
子どもが体調を崩しても、制度や周囲の助けを使いながら働き続けられる環境を作ることの方が重要です。
まずは子の看護等休暇や職場の制度を確認し、病児保育などの選択肢を準備してみましょう。
それでも毎回強いストレスがかかり、長く続けることが難しいのであれば、それは「自分が働けない」のではなく、現在の職場と家庭状況が合っていない可能性があります。
その場合は、子育て中でも続けやすい条件を優先して次の職場を探すことも、現実的な選択肢です。
