小学生を家で留守番させるようになると、「何かあったときに連絡できるよう、スマホを持たせた方がいいのでは」と考える家庭は多いでしょう。
特に仕事中すぐに帰宅できないシングルマザー家庭では、子どもと直接連絡できる手段があるだけでも安心感が大きく違います。
ただし、留守番のためにスマホを持たせても、連絡方法を決めていなかったり、ゲームや動画ばかり使うようになったりすると、かえって新しい悩みが増えることがあります。
大切なのは、スマホを持たせることそのものではなく、「留守番中に親子が確実に連絡できる状態」を作ることです。
小学生の留守番にスマホは必要?
留守番をするからといって、必ずスマホが必要というわけではありません。
自宅の固定電話、キッズ携帯、スマートウォッチなどでも親子の連絡はできます。しかし、普段からスマホを使う予定がある家庭なら、留守番時の連絡手段としてスマホを利用する方法は現実的です。
NTTドコモ モバイル社会研究所が公表した2026年の調査では、スマートフォンの所有率は小学5年生で過半数を超えています。また、スマホを持ち始める時期は男子10.4歳、女子9.9歳となっており、小学生のうちから自分専用のスマホを持つことは珍しくなくなっています。
参考:NTTドコモ モバイル社会研究所「子ども」調査レポート
スマホを持たせる主な目的が留守番中の連絡であれば、最初から多くの機能を自由に使わせる必要はありません。通話、メッセージ、位置情報など、必要な機能を中心に使えるよう設定すると管理しやすくなります。
留守番用スマホでできること
親へ電話できる
最も重要なのは、子ども自身が必要なときに親へ電話できることです。
「転んでけがをした」「体調が悪い」「知らない人が玄関に来た」「鍵が見つからない」といった場面では、子どもが一人で判断するより親へ連絡できる方が安心です。
メッセージで簡単に状況確認できる
仕事中は電話に出られなくても、メッセージなら確認できることがあります。
「家に着いた」「昼ごはん食べた」「今から宿題する」など、短いメッセージを送るだけでも親は状況を把握できます。
長文を送らせる必要はありません。「帰宅したらスタンプ1個」など、子どもが面倒に感じない方法にすると続けやすくなります。
位置情報を確認できる
学校や習い事から一人で帰宅する場合は、位置情報機能が役立つことがあります。
ただし、位置情報は通信状況や端末設定などによって誤差が出ることがあります。「位置情報が表示されているから絶対に安全」と考えず、あくまで確認手段の一つとして使いましょう。
留守番中は「連絡する時間」を決めておく
スマホを渡しただけでは、親子とも「いつ連絡すればいいのか」が分からなくなることがあります。
おすすめなのは、毎日の連絡タイミングを固定する方法です。
- 家に着いたとき
- 昼ごはんを食べる前後
- 午後3時ごろ
- 外出するとき
- 親が仕事を終えたとき
たとえば「帰宅したら必ずメッセージ」「12時になったら親から電話」のように決めておけば、お互いに連絡を待つ時間が分かります。
仕事中に何度もスマホを確認できない場合は、「すぐ返事できないことがある」と子どもにも伝えておきましょう。
すぐ連絡するべきケースを子どもに教える
定時連絡とは別に、「これはすぐ電話する」というケースを決めておくことも大切です。
- けがをした
- 急に体調が悪くなった
- 火事や地震などが起きた
- 知らない人が何度も来る
- 鍵をなくした
- 電気や水道など家の設備に異常が起きた
- 怖いことや判断できないことが起きた
子どもには「迷ったら電話していい」と伝えておくと安心です。
「こんなことで電話したら怒られるかも」と思わせてしまうと、本当に必要なときまで連絡を我慢することがあります。
親が電話に出られないときの連絡先も決める
仕事によっては、勤務中にスマホを確認できないこともあります。
その場合は、親以外の連絡先も用意しておきましょう。
- 祖父母
- 近くに住む親族
- 信頼できる知人
- 勤務先の連絡先
スマホの連絡先には「ママ」「おばあちゃん」など、子どもが迷わず選べる名前で登録しておくと使いやすくなります。
紙に緊急連絡先を書いて冷蔵庫などに貼っておけば、スマホが使えないときの備えにもなります。
小学生の留守番用スマホで決めたいルール
スマホを連絡手段として持たせる場合でも、最低限の利用ルールは必要です。
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査では、スマホを持つ小中学生の多くが親子で利用ルールを設定しています。また、2026年の調査では、低学年ほど「使う場所や時間」、高学年ほど「個人情報」に関するルールが多い傾向が報告されています。
使ってよい時間を決める
留守番中に暇だからと、朝から夕方まで動画やゲームを使い続ける状態は避けたいところです。
「宿題が終わってから」「ゲームは1時間まで」「昼ごはん中は使わない」など、家庭で無理なく守れるルールにします。
勝手にアプリを入れない
アプリのダウンロードは親の許可が必要、というルールにしておくと管理しやすくなります。
スマホの設定によっては、アプリのインストールや購入を保護者の承認制にできます。
知らない人と連絡しない
SNSやオンラインゲームを使うようになると、知らない人とつながる可能性もあります。
留守番のために持たせる段階では、SNSを使わせない、知らない相手からのメッセージには返信しないなど、年齢に合わせて機能を制限してもよいでしょう。
個人情報を送らない
住所、学校名、電話番号、顔写真などを知らない相手へ送らないことも教えておきます。
特に留守番中であることをSNSなどに書くのは避けるよう伝えてください。
ペアレンタルコントロールを設定する
小学生にスマホを持たせるなら、端末のペアレンタルコントロール機能も確認しておきましょう。
- 利用できるアプリを制限する
- アプリのインストールを承認制にする
- 利用時間を設定する
- 不適切なサイトへのアクセスを制限する
- 課金を制限する
- 位置情報を共有する
すべてを厳しく制限する必要はありません。子どもの年齢や利用目的に合わせ、「留守番中の連絡に必要な機能は使える状態」を残しながら設定します。
LINEを使うなら親子だけから始めてもいい
親とのメッセージ連絡にLINEなどを使う家庭もあります。
ただ、連絡用にスマホを持たせた途端に友達とのグループやSNSまで一気に広げる必要はありません。
最初は家族との連絡だけに使い、スマホの扱いに慣れてから利用範囲を広げる方法でも十分です。
親子で「誰と連絡してよいか」「友達を追加するときはどうするか」を話し合っておくと、後からトラブルになりにくくなります。
スマホとキッズ携帯はどちらが留守番向き?
子どもとの連絡だけが目的なら、キッズ携帯で十分な家庭もあります。
| 項目 | スマホ | キッズ携帯 |
|---|---|---|
| 電話 | ○ | ○ |
| メッセージ | ○ | 機種による |
| 位置情報 | ○ | ○ |
| アプリ | 多数利用可能 | 限定的 |
| ゲーム・動画 | 利用可能 | 基本的に限定的 |
| 管理の手間 | やや多い | 比較的少ない |
低学年で「親への電話と位置確認ができれば十分」という場合はキッズ携帯の方がシンプルです。
一方、今後LINEや学校・習い事の連絡にも使う予定があるなら、最初からスマホを選び、機能を制限して使う方法もあります。
古いスマホを留守番用にする方法もある
新しいスマホを購入する前に、親が以前使っていた端末を留守番用として利用する方法もあります。
自宅のWi-Fiにつながっていれば、対応するアプリでメッセージや通話ができる場合があります。
ただし、Wi-Fiだけでは外出先で通信できないため、学校や習い事からの帰宅時にも使わせたい場合はSIM契約などが必要になります。
また、古すぎる端末はOSの更新が終了している場合があるため、セキュリティ更新を受けられる端末か確認してください。
スマホを持たせても留守番の安全ルールは別に必要
スマホがあれば親と連絡できますが、留守番そのものの安全を保証してくれるわけではありません。
- 知らない人が来ても玄関を開けない
- 親がいないことを他人に言わない
- 火を使わない
- 勝手に外出しない
- 友達を無断で家に入れない
- 地震や火災時の避難方法を確認する
スマホは、こうした留守番ルールを補助する「連絡手段」と考えるのがよいでしょう。
留守番用スマホを持たせる前のチェックリスト
- □ 親へ電話する方法を子どもが分かっている
- □ メッセージを送れる
- □ 親が電話に出ない場合の連絡先を登録した
- □ 連絡する時間を決めた
- □ すぐ電話するべきケースを教えた
- □ アプリのインストールを制限した
- □ 課金設定を確認した
- □ フィルタリングやペアレンタルコントロールを確認した
- □ SNSで留守番中だと公開しないよう話した
- □ 充電する場所を決めた
特に忘れやすいのが充電です。子どもが留守番するときに電池切れでは連絡できないため、「帰宅したら充電器につなぐ」など分かりやすいルールを作っておくと安心です。
スマホは「いつでも連絡できる安心」を作るために使う
小学生の留守番でスマホを使う最大のメリットは、親と子どもが直接連絡できることです。
ただし、スマホを渡すだけでは十分ではありません。
「家に着いたら連絡する」「困ったらすぐ電話する」「親が出なければ次の人へ電話する」という流れを子どもが理解していることが重要です。
最初はスマホの機能を必要最低限にし、留守番時の連絡手段として使うところから始めても構いません。
子どもの成長に合わせてルールを見直しながら、親子とも安心して留守番できる連絡環境を作っていきましょう。
