母子家庭で生活保護をやめたい、その手順とは?

生活保護は、全く収入がないような状態であれば、確かに生活していく上で不可欠な助けになりますが、その一方で、車は原則持てない、貯金をすることができない等、日常の生活や将来の生活設計に様々な制約を受けることになります。

母子家庭の中には、子供に生活保護を受けていることを知られたくない、学校で知れるといじめにあうかもしれない、といった心配をする方も少なくありません。また子供が大きくなり、支給がなくなった時の学費のことを考えると、早く収入を増やして貯金を始めたい、という方もいるでしょう。

生活保護を受けるための条件や手続きなどは、ネットで調べると情報は沢山あり、福祉事務所にいってケースワーカーに相談すればいいのですが、いざやめたいとなると意外と情報は少なく、福祉事務所・ケースワーカーの対応もはっきりしない、という事例が多いのが実情です。

その理由として、生活保護をやめたために生活できなくなると、命に関わる問題になってしまうからで、福祉事務所の対応も慎重にならざるをえません。特に子供のいる母子家庭なら、なおさら判断は慎重になってしまいます。

公的な手続きは、福祉事務所に行き、生活保護を申請する際に担当してくれたケースワーカーにやめたいことを伝えるのが第一歩となりますが、その前に、本当に生活保護を受けなくても大丈夫なのか、生活保護を受ける条件から外れるのか、自分で確認しておけば、手続きもスムーズに進みます。

そこで、母子家庭で生活保護を受けているがやめたいと思ったとき、どのようにすればよいか、その手順を順番に見ていきます。

目次

母子家庭で生活保護をやめたい時の手順

1.生活保護の支給金額を確認する

生活保護を受けることが決まると、毎月いくら支給されるかを知らせてくれる、「支給金額決定通知書」が発行されます。発行されるのは毎月であったり、支給額に変更があった時で、自治体によって変わります。

支給金額決定通知書は生活保護費の支給方法によって異なります。

・窓口支給
 福祉事務所の窓口で生活保護費を受け取ります。この時、一緒に支給金額決定通知書も渡されます。

・口座支給
 生活保護費を銀行脳座に振り込んでもらいます。支給金額決定通知書は支給日の前日までに郵送か、ケースワーカーの訪問調査時に手渡されます。

支給金額決定通知書には、生活扶助や住宅扶助、母子家庭であれば教育扶助など、自分が受ける扶助とその支給額の明細が書かれているので、それぞれいくら支給されるのか、確認します。

2.収入を確認する

正社員、パート、アルバイト等いずれの場合でも、月にいくらもらえるか、実際の手取り収入を確認します。給与証明書などがケースワーカーや福祉事務所に提出するイビデンスになりますが、税引き後の金額で生活保護をやめられるか、判断されます。

働き口は決まっているが働くのはまだ先というケースでは、税金等でどれくらい引かれるか、個人で計算するのは難しいので、手取りが分からなければ、税込み収入を確認するようにします。

3.毎月の支出を確認する

毎月の衣食にかかる費用や家賃、母子家庭なら子供の教育費用にいくらかかっているか、いくら必要か、確認します。教育費は毎月かかるというわけではなく学期初めに必要、という時は、年間の支出を月平均に割って計上します。

生活保護の中には、出産扶助や生業扶助、葬祭扶助のように実費支給1回というものもあり、生活保護をやめた後に費用が発生するのであれば、一時的に必要な費用として計上しておきます

4.隠れている支出を確認する

「隠れている支出」というのは、生活保護を受けることで免除されている支出、減額されている支出のことです。

衣食や家賃は決まった額や実費で支給されるので見逃すことはありませんが、生活保護を受けることで、本来は個人負担であるはずの費用が免除されたり減額されたりしているものがあるため、この費用を漏らさず確認しなくてはなりません。

・医療費

 病気やけがの治療で医療機関等にかかっている場合、診察や薬、入院、手術等に必要な費用は、生活保護を受けている間は医療扶助がまかなってくれますが、生活保護がなくなれば自己負担になります。働くことになれば社会保険等に加入することになるので、基本3割は自己負担です。

・介護費用

 要介護、要支援の認定を受けている方は、生活保護を受けている間は、介護等にかかる費用は介護扶助がまかなってくれますが、生活保護を受けなくなり介護保険に加入すれば、その費用の1~2割は自己負担になります。

・住民税

 生活保護を受けている間は免除される住民税を毎年払う必要があります。もし生活保護を受ける前に住民税を滞納し、未払いだった場合は、その分も払わなくてはなりません。
 仕事が会社勤務であれば給与天引き、自営業や母子家庭の方に多いパートやアルバイトなら自分で払う必要があります。
前年の収入が全くないときは「非課税世帯」となり、その年の住民税の支払いはありませんが、次年からは支払い義務が発生します。

・国民健康保険料、国民年金保険料 

 住民税と同様に、仕事が会社勤務であれば給与天引き、パートやアルバイト、自営業なら自分で払う必要があります。

・NHK受信料

 忘れがちなのがNHKの受信料です。保険料などの費用とは異なり色々な割引制度があるので、もし利用できるなら積極的に活用し、出費を減らします。

以上の支出を合計し、得られる収入でカバーできる(生活できる)かどうか、確認します。

5.ケースワーカーに話をする

得られる収入で生活できると判断できたら次に、生活保護を申請する時に担当してくれたケースワーカーに、生活保護をやめたいと話をします。福祉事務所にケースワーカーの設定がなく、生活保護の申請を直接福祉事務所とした場合は、福祉事務所に話をします。

ケースワーカーに話をするのは、本当に生活保護をやめても生活できるのか、調査が必要なためです。先にも述べたように、生活保護をやめて生活に苦しくなり、命にもかかわる問題になるのを防ぐのが目的です。そしてその判断の一番の拠り所は、生活するのに必要な収入があるかどうか、です。ケースワーカーが判断しやすくするために、かかる支出を確認しておくのです。

6.「生活保護法指定 指定辞退届書」を提出する

ケースワーカー(福祉事務所)が生活保護をやめても問題ないと判断すれば、「生活保護法指定 指定辞退届書」を福祉事務所からもらい(各市町村のホームページなどでダウンロードも可能)、必要事項を記入して提出します。

7.決定通知書を受け取る

指定辞退届書の提出からしばらくすると、福祉事務所から決定通知書が届きます。通知書には廃止時期が書かれているので、希望する時期になっているか、確認します。

生活保護廃止決定通知書の受け取りまでの期間

生活保護をやめたいとケースワーカーに話をしてから決定通知書の受け取りまでは、調査や福祉事務所内での手続き等で、2~3ケ月はみておく必要があります。特に母子家庭では調査する内容も増え、さらに時間がかかることもあります。

最近は生活保護を申請する人が増加傾向にあり、ケースワーカー、福祉事務所とも、調査や手続き等で忙しい状況が続いていることから、決定通知書の受け取りまでの期間も伸びる可能性があります。

そのため、すぐに生活保護をやめたいと思っても時間がかかることを考え、余裕をもって申請するようにします。また、各種保険の手続きや税金の支払い等、忘れずに進めることも大切です。

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