母子家庭へランドセルは寄付できる?その方法は?

子供が小学校に進学するとき、ほとんどの小学校では教科書などを入れるかばんとして、ランドセルを推奨しています。ランドセルはたくさん物が入るし、背負うのでまだ体が小さくて力も強くない子供でも負担が少ないなどのメリットがあるからです。また、子供同士差がつきにくい、というのもあるでしょう。

ただしかし、ランドセルは小学校に進学するときに必要な費用の中でも一番高価で、数万円もするのが一般的です。子供のためとは言え、これは多くの家庭にとって負担が大きい出費でしょう。

母子家庭の多くは経済的に困窮していると言われています。そのため、中にはランドセルを買うのも難しい、という方もいます。

国や自治体は、生活に困っている母子家庭やひとり親世帯を対象に様々な支援制度を用意しています。その中には子供の進学費用を助成してくれるものもありますが、実際にはそれだけでは十分ではありません。

そこで利用を考えたいのが、ランドセルの寄付です。

小学校を卒業すればランドセルは要らなくなりますよね。せっかくだからと保存したり、記念に小さなランドセルに作り直してもらう、という人もいますが、ほとんどの方は捨ててしまうでしょう。

このように使わなくなったランドセルの寄付を利用するのです。寄付でもらうことができれば、母子家庭にとっては本当に助かりますよね。

ここでは母子家庭へのランドセルの寄付について、どのようなシステムになっているか、詳しく解説していきます。

目次

母子家庭にランドセルを寄付したい、どうすればいい?

使わなくなったランドセルは寄付できます。母子家庭へ支援目的で使わなくなったランドセルを寄付したいと思っているならば、母子家庭を支援している団体を通して寄付をしましょう。

支援を必要としている母子家庭への支援方法には「寄付をする」「子育てを助ける」など、さまざまな方法があります。中でも母子家庭へ寄付をするという支援方法には寄付金という手段以外にも、使用しなくなった物を寄付するという方法があります。

支援団体が母子家庭への寄付として受け付けている物には、ランドセルや衣料品などがあります。寄付するランドセルや衣料品は新品ではなくともかまわないため、子どもが着なくなった洋服や、卒業していらなくなったランドセルも寄付の対象になります。

母子家庭にどんなランドセルでも寄付できる?

子どもが使っていたランドセルを母子家庭へ寄付できますが、母子家庭へ寄付できるランドセルには条件があります。使用年数に関わらず、金具が壊れている、皮が剥がれているなど損傷が激しいランドセルは寄付を受け付けてもらえないことがほとんどです。

また、学校指定のナイロン製のランドセルも受け付け対象外となる場合があります。

贈る側にとって思い出深いランドセルでも、受け取るのはこれから新1年生として小学校へ上がる子どもたちです。できるだけ状態がよいランドセルを寄付するように心がけましょう。

できるなら、多くのランドセルについている6年保証を利用して修理へ出し、ほぼ新品と変わらない状態へ戻したものを寄付してください。

受け付けているランドセルの詳しい条件については、受け付けている団体の公式サイトなどで確認ができます。また支援団体へランドセルを寄付するときの送料は、多くの場合、送る側の負担となりますので、そちらも覚えておきましょう。

母子家庭へランドセルを寄付、支援団体の選び方

母子家庭を支援している団体全てがランドセルの寄付を受け付けているわけではありません。そのため支援団体へランドセルを寄付する前に、ランドセルの寄付を行っているかどうか調べておく必要があります。

母子家庭の支援団体の趣旨は、さまざまです。

例えば、子どもの食生活について支援している団体があったり、母子家庭となった母親へ就労支援を行っている団体があります。また、ランドセルの寄付を受け付けていても国内ではなく貧困に悩む外国の子どもたちへの輸出を目的として、ランドセルの寄付を募っている団体もあります。

母子家庭へのランドセルの寄付を募っている団体の調べ方は、インターネットで支援団体の公式ホームページを見るだけでなく、寄付アドバイザーへ相談するという方法もあります。

寄付する団体が決まったら、寄付を受け付けている期間についても調べておきましょう。1年中受け付けている場合もあれば期間を設けている団体もあるからです。

母子家庭へはランドセルの寄贈という方法もあります

最近ではランドセルを必要としている母子家庭へ寄付という形ではなく、新品のランドセルを寄贈するという支援方法も増えています。

例えば横浜市母子寡婦福祉会では、「子どもと一緒にランドセルを選び、子どもの成長を感じて子育てを楽しんで欲しい」という思いから、株式会社イトーヨーカ堂に協力してもらい、新品のランドセルを母子家庭など、ランドセルを必要としている家庭へイベントを通して寄贈しています。

またFineネットワークながさきという団体は、三菱重工業やいくつかの企業に協賛してもらい、協賛企業の1つである株式会社協和のランドセルをプレゼントしています。

こうした母子家庭へ新品のランドセルを贈るという取り組みは、横浜や長崎の団体だけではありません。新品のランドセルを必要とする子どもたちへ届ける取り組みは日本各地で盛んに行われています。

ある団体では、母子家庭へ新しいランドセルを届けるための資金を募るために、チャリティーイベントを開催しています。

このように寄付されたランドセルではなく新品のランドセルを贈るようになったのには事情があります。

寄付されたランドセルを背負い入学式を迎えた子どもが、新品のランドセルを背負った他の子どもを見て、自分のランドセルは中古であることを悲しく思い、涙したそうです。そうした思いをする子どもたちを少しでも減らそうという大人たちの思いが日本各地で形となり表れています。

母子家庭がランドセルの寄付を必要とする理由

母子家庭の方たちがランドセルの寄付を必要とする理由の1つに、2人親世帯よりもシングル世帯の方が収入が少ないという理由があります。

また母子家庭の多くが非正規雇用として働いてるため、収入や社会保障の面でも正社員世帯よりも不安定であり、経済的にもあまり余裕の無い家庭も多いのです。非正規という働き方は景気やその他の社会的事情の影響も受けやすい働き方であるため、病気の蔓延や不景気などの影響を最も受けやすくなります。

経済的に苦しい状況であるときでも子どもは成長し、小学校へ入学する時期になれば準備をしなければなりません。母子家庭など経済的に苦しい世帯の子どもが小学校へ入学する場合、金銭面で自治体から援助を受けられますが、入学の準備金の申請となる就学援助制度への申し込みは入学後になります。

助成金が支払われるのは多くの場合、その後の7月頃です。つまり入学前に必要なものを購入する時期には支払われません。そのため、母子家庭の多くが入学準備をするためにお金の苦労をすることになります。

新1年生が用意しなければならない物を全て購入すると、おおよそ6万円かかると言われています。日々の生活でも大変なのに、いきなり6万円という出費は家計の大きな負担です。

入学準備の中でも一番高額となるランドセルは用意するのが難しい家庭も多く、こうした事情からランドセルの寄付を受けたいと希望する母子家庭が多いのです。

子どもの貧困問題や母子家庭の悩みは日本では見えずらい現状があります。表立って目立つことはありませんが、使わなくなったランドセルを必要としている子どもが日本にもまだいる、ということは覚えておく必要があるでしょう。

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