母子家庭の多くは経済的に困窮していると言われています。その原因のひとつとして、子育てのために仕事はパートはアルバイトで収入が少ないことが挙げられます。
もちろん母子家庭の中には生活に十分な収入のある方もいますが、その割合は少なく、生活はギリギリで貯金なしという家庭が多いでしょう。
でも貯金なしというのは、いざという時のことを考えると、とても心配ですよね。特に子供のことを考えると、貯金なしというのは非常に危険な状態です。
それはわかっているけれど、生活費で収入のほとんどがなくなり、とても貯金までまわらない、というのが現実でしょう。
とは言っても、いつまでも貯金なしで行くわけにもいかないですよね。少しずつでいいので、毎月貯金をしていかなくては、本当に何かあった時、困ってしまいます。
ここでは、どうして貯金なしなのか、貯金するにはどうしていったらいいか、考えてみたいと思います。
母子家庭で貯金なし、どんな原因がある?

母子家庭で貯金なしと言っても、その原因は様々です。
養育費をもらっていない
離婚して母子家庭になる場合、養育費をもらう権利があるのにもらっていない、というケースは意外と多くあります。
離婚したら顔も見たくない、きっぱりと関係を断ちたい、という思いが強すぎて、「なんとかなる」とその場限りの判断をしてしまっているのが、その代表的なパターンです。
確かに、離婚の理由によってはそう思いたくなる気持ちもわかります。でも、養育費をもらえば生活費の足しになるし、貯金だってできるようになるかもしれませんよね。
仕事をえり好みする
母子家庭になると、正社員として就職するのは難しくなる傾向があります。
子供が急に具合が悪くなった、怪我をした、そういった理由で会社を休んだり早退することがあり、会社側から見れば、正社員としては採用しにくいと考えるからです。
中にはそういった事情を考慮してくれる会社もありますが、それは少数派で、自分が通える範囲にはないことは、少なくありません。
でも、理由はそれだけでしょうか?どこかで仕事を選んでいる部分もあるのではないでしょうか?
厳しいですが、20代独身の時とは状況が違うのです。
自分はこれだけできる、働いてきたプライドがあるという方も多いと思いますが、やはり当時と同じような職種、雇用条件で・・・というのは難しいでしょう。
家計が把握できていない
毎月、何にいくらつかっているのか、レシートはとってはあるけれどよくわかってない、という方もいると思います。忙しくて家計をちゃんと見ている暇がない、と言われるかもしれません。
しかしそれでは、限られた収入を効率的に使えているか、削れるところはないか、といったことがわからないですよね。
無駄を見つけてなくすようにする、そうしないと貯金なしの状態から抜け出すことはできません。
母子家庭で貯金なし、どうしたらいい?

貯金なしの原因に対して、それぞれどうしたらいいか見ていきましょう。
養育費をもらってない
もらえる権利があるのならもらいに行く、ということになりますが、別れた元配偶者次第になってしまうので、これが一番難しいかもしれません。
まだ離婚前であれば、行政書士に依頼をして公正証書を作成してもらいましょう。紙一枚ですが、あると無いとでは大違いで、とても心強いです。
それは、万が一に養育費の支払いがされなかった際は、元配偶者の財産を差し押さえるなど、強制的に執行する事が可能になるからです。
離婚後に公正証書を作成する事は可能ですが、別れた相手と上手く相談し合えるかが鍵になります。
仕事をえり好みする
昔の自分の価値と比べずに、今の自分が置かれてる環境でできる仕事を探しましょう。
今の自分にとって一番大切なのは、子供との安定した生活ですよね。仕事にやりがいが持てるのが一番ですが、それは収入が安定し、貯金なしの状態から抜け出せてからでも遅くはありません。
もちろん劣悪な職場で無理して働く必要はありませんが、えり好みせず、範囲を広げて仕事を探してみましょう。
また、正社員でフルタイム勤務だと子供と離れている時間が長くなり、子供に寂しい思いをさせるのでは?と心配になる方もいるかもしれません。
でも、考えを変えましょう。
子供の為にすること、それは経済力をつけることですよね。
確かに、子供がまだ幼い間はいつもそばにいてあげる必要はありますが、小学校になれば、自分の家庭環境も理解できるようなります。
子供と長い時間共に過ごすことも大切です。でもそれ以上に経済力をつけて、生活にも心にも余裕を持つことの方が大切ではないでしょうか。
生活が安定して働ける仕事を選んで長く楽しく働く。そうすれば、昔の自分の価値から例え下がったとしても、自己肯定感を育てられ、同時に子供には活き活きと働く母親像を見せられますよね。
家計が把握できていない
漠然と「貯金しなくては」という思いが先行し、「でもお金が全然残らなくて貯金できない」「今月も貯金なし」というのが貯金ができない典型的なパターンです。
将来、何に一番お金がかかるか、何の為にお金が必要かというと、子供の教育費ですよね。母子家庭の場合、教育費が足りるかどうか、ここが一番不安になるのではないでしょうか。
その不安を少しでも減らすには、実際にいくらぐらい必要なのか、具体的な金額を出すことです。そしてあとは、その金額に向けてどうやって貯金をしていくか、考えます。
児童扶養手当だけには絶対に手を付けないと決めてしまえば、振込口座を別にして簡単に引き落とさないようにする、養育費が毎月もらえているのであれば、生活費に回さないで子供の進学時の時だけ使う、毎月の収入から必ず1万円は貯金に回す、こんな風にルールを決めてしまえば、少しずつでも確実にお金は貯まっていきます。
例えば、
- 毎月の収入→生活費として使う
- 子供の将来の為の教育費→養育費や各手当に手を付けずに貯める
- 自分の老後や急な出費→ボーナスや月の収入の残りから
こんな風にルールを作ってしまいましょう。
そして、自分の老後資金は子供が成人してから貯めることはできませんか?お子さんの年齢にもよりますが、お子さんが20歳になった時、自分は何歳ですか?
そこからでも老後資金は貯めることができるのです。
母子家庭で貯金なし、一番必要なのは心の余裕です

これまで貯金なしから抜け出す方法をみてきましたが、実際に実行するのは簡単ではないでしょう。これまでご自身でも色々と努力はしてきたけど、結局貯金できていない、という方もいるでしょう。
実際、仕事もして子育てもしてという状況では、貯金は難しいかもしれません。でもどうでしょう、考え方ひとつで少しでも生活に余裕が出たりするのではないでしょうか。
貯金はもちろん必要ですが、一番必要なのは心の余裕、そして働く姿を子供に見せることです。
そんな母親の背中を見てきた子供が大きくなった時、一生懸命に働く、活き活きと働くのが当たり前の環境に育っているので、必ずや良い社会人になってくれるでしょう。
貯金がたくさんあればそれに越したことはありませんが、毎月の生活が成り立ち、未来を創る余裕があれば良いのではないでしょうか
日々の生活を少しずつ見直して、できるところからコツコツと、理想に近づけるように頑張っていきましょう。