母子家庭で大学に進学、おすすめの奨学金には何がある?

母子家庭などひとり親世帯の方は、子供が成長するにつれて徐々に学費の心配が出てくると思います。それは、かかる学費が増えてくるからです。

特に高校生ともなれば大学や専門学校への進学を考えるようになり、「金銭的な理由で子供の進学をあきらめさせたくない」、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

近年では、こういった家庭の収入による教育格差が社会で問題視されており、国や自治体が主導になり、さまざまな対策や制度が作られています。

そしてそのひとつが「奨学金」です。

奨学金とは、進学のための費用を給付し、家庭の負担を減らしてくれる制度のことを言います。各団体の指定の条件を満たせば基本的に誰でも支援してもらえるので、利用しやすい制度と言えるでしょう。

ですが最近は、「進学のために取得した奨学金の返済で、その後の生活が苦しい」などというニュースも良く見かけるため、お母さんの中には、「奨学金は結局借金だから返済しなくてはいけない、将来子供に負担を強いるのでは」と、利用をためらう方も少なくありません。

しかしながら奨学金は、学ぶ意欲があるのに経済的な事情で進学することができない学生にとって、進学できるチャンスをくれる大きな助けであるのも事実でしょう。

奨学金と一口に言っても実はいくつか種類があり、ご自身の家庭の状況に合わせた奨学金を選ぶことで、あとになって後悔するといったことは確実に少なくなります。

そこでここでは、母子家庭におすすめの奨学金の種類と利用方法について、詳しく解説していきたいと思います。

目次

母子家庭で大学に進学、利用できる奨学金の種類とは?

奨学金は返済という面から見て、大別して二種類に分かれます。「貸与型」と「給付型」です。

貸与型の奨学金

貸与型は、進学時に学費などの援助を受け、卒業後、就職をしてから返済をする、という奨学金です。つまり「借りる」という形になります。

貸与型奨学金は利子によって、第一種奨学金と第二種奨学金の二種類に分かれます。

第一種奨学金であれば無利子ですが、選考基準は厳しめです。第二種奨学金は上限年3%の利子がつきますので、返済時にその分の金額が上乗せになります。

貸与型奨学金のメリットとしては、後述する給付型に比べ採用の基準が低いこと、枠も多いので利用しやすいという点でしょう。

デメリットは、もちろん返済義務があることです。「借りる」という形なので、基本、連帯保証人が必要となり、返済できなくなるとそちらに督促が行くようになるので、責任は重大です。

自分に返済できるのかをしっかり考えてから、利用を決める必要がある、ということですね。

給付型の奨学金

給付型は、授業料や入学金などの進学の費用を負担してもらい、その後の返済がいらないという奨学金です。つまり、お金を援助してもらえるという制度です。

卒業後の返済がないため、就職後に返済で苦しむことがないのが最大のメリットでしょう。

デメリットは、募集人数が少なく、その一方で希望する学生が多いので、資格を得るのが難しいという点です。また審査の基準が高く、成績優秀な生徒が利用しやすい制度と言えるでしょう。

団体によって、支給額は月々20000~40,000円くらいと金額は少し抑えめになることもあるので、事前に確認しておく必要があります。

ニュースなどで問題になっているのは、返済義務のある貸与型の奨学金でしょう。

経済的に不安定な母子家庭の方であれば、給付型を利用できると良いでしょう。2020年4月からは、経済的に恵まれない世帯への、文部科学省の「大学無償化」制度が整い、母子家庭の方などにはとても利用しやすくなっています。

母子家庭の大学進学、おすすめの奨学金は?

母子家庭で奨学金の検討をし始めたら、まず確認したいのがこちらです。

JASSO、高等教育の修学支援

日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金です。

高校生、大学生を対象に、授業料と入学金を免除、減額し、学校の形体や自宅通学かなどによって、月額17,500∼75,800円を給付します。

利用する条件は、住民税非課税世帯や準ずる世帯、生活保護受給世帯であること。また、本人に学ぶ意欲があり、成績の評定平均値が3.5以上であることなど、審査は厳し目です。

また収入審査や成績審査以外にも、面談やレポートなどで熱意を伝える必要があり、希望者が多く成績も審査に影響することから、狭き門になっています。

母子家庭などのひとり親世帯が利用しやすい、民間の奨学金はこちらです。

公益財団法人 みずほ農場教育財団

ひとり親家庭の小中高校生、大学生、専門学校生を90人支援する、給付型奨学金です。年収300万円以下(大学生ならば400万円以下)のひとり親家庭が対象となります。

小中高校生には15,000円、大学生には30,000円が給付されます。

この奨学金は他の奨学金と併用できることもあり、比較的利用しやすい奨学金ですが、成績の5段階評価の平均が4.5以上という条件があるのが難点です。

逆に言えば、成績に自信がある学生なら審査に通りやすいでしょう。

明光教育研究所、給付型奨学金

ひとり親家庭などを中心とした、経済的な理由で修学が難しい世帯へ向けた給付型奨学金です。大学生、短大生、専門学校生を対象に、一人最大30~70万円の援助を受けることができます。

この奨学金は授業料や入学金だけでなく、塾や予備校、通信教育、自分で使う参考書や問題集などの費用にも当てることが可能なのが特徴です。

支給期間は基本的には1年間ですが、継続支援もあります。

この他にも、進学する大学自体や、地方自治体でも給付型の奨学金を用意している場合がありますので、確認してみましょう。

母子家庭の大学進学、奨学金を利用するなら早めに計画を

近年では、所得による教育格差が深刻になっており、低所得世帯だけでなく、母子家庭などのひとり親世帯限定の制度も充実しています。

母子で助け合ってきた家庭であれば、お母さんが「子供に迷惑をかけたくない」と思うのと同じように、お子さんも「お母さんに、これ以上無理をさせたくない。」と思っているものです。

大学進学に際し奨学金を利用するのであれば、早い内から計画的に進めておく必要があります。子供ともよく話し合って、力を合わせて理想の未来を手に入れてください。

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