母子家庭でお金を借りる、負担の少ない方法とは?

母子家庭では、生活が苦しいという方は大勢います。その一番の理由は、収入が少ないことでしょう。

もちろん十分な収入を得て、満足のいく生活を送れている方もいると思いますが、多くは低収入でなんとかやりくりしているのが実情です。

生活の様々なことと子育てがあるので正社員で働くことが難しく、パート、アルバイトしかできない、あるいは正社員であっても仕事は一般事務なので、収入もそれなり、といった事情が、収入が少ない原因となっています。

頑張ってやりくりしてもどうしても足らないとき、方法として考えられるのは、お金を借りることでしょう。

お金を借りるとき真っ先に思い浮かぶのは、親や兄弟、親類から借りることだと思います。困ったときに一番頼りになるのはやっぱり親族ですよね。親兄弟であれば、親身になって助けてくれるでしょう。

ただ、お金のことでトラブルになりやすいのも親族です。貸した方は「返して欲しい」とはなかなか言い出せず、借りた方も、「返して欲しいと言われないからまだ返さなくてもいいよね」「余裕ができたら返そう」というように、あやふやになってしまうおそれがあります。

そういったトラブルを避けるには、やはり、お金を貸してくれる機関から借りるのが一番ではないでしょうか。

ただ、親族に迷惑をかけることはなくなりますが、高い利息がかかるのが最大のネックです。できるなら、利息がかからない、あるいはかかっても少額なところから借りたいですよね。

でも、ではどこから借りるのがいいのか、思いつくのは消費者金融くらいしかない、という方は多いでしょう。

そこでここでは、母子家庭がお金を借りるとき、できる限り負担の少ない方法を紹介したいと思います。

目次

母子家庭でお金を借りる、利用できる国の貸付制度とは?

母子家庭の方の中には、お金がない状況となり苦しむケースがあります。そんな場合、お金を借りるおすすめの方法があります。それは母子父子寡婦福祉資金貸付金制度です。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は厚生労働省管轄の制度で、ホームページでは次のように概要が解説されています。(ホームページより抜粋)

目的

母子父子寡婦福祉資金は、配偶者のない女子又は配偶者のいない男子にあって現に児童を扶養しているもの等に対し、その経済的自立の助成と生活意欲の助長を図り、あわせてその扶養している児童の福祉を増進することを目的としている。

対象者

母子福祉資金:配偶者のいない女子で現に児童を扶養しているもの(いわゆる母子家庭の母)、母子・父子福祉団体等

母子家庭で子供を扶養しているのであれば利用が可能な制度、ということになります。

名前が示すように、これは貸付制度です。では、なぜこの母子父子寡婦福祉資金貸付金制度貸付制度が母子家庭がお金を借りるおすすめの方法になるのでしょうか?

その理由を次から詳しく紹介していきます。また母子父子寡婦福祉資金貸付金制度を借りる際の借り方や流れ、借りるときの注意点についても併せて紹介します。

母子家庭がお金を借りる、母子父子寡婦福祉資金がおすすめの理由は?

母子家庭の方がお金に困り、最後の手段としてお金を借りるときに母子父子寡婦福祉資金貸付金制度貸付制度がおすすめの理由、それは、多くのメリットがあるからです。

保証人がいらない

一つ目のメリットとしては、奨学金や生活費として借りる場合、保証人がいなくても借りられることです。

利子は保証人がいたほが安いですが、いなくてもお金を借りることができるのは、保証人を立てにくい母子家庭にとって、とても助かりますよね。

無利子で借りられる

保証人を立てることができれば、無利子でお金を借りることができます。借りた金額だけ返済すればいいのは、返済の負担を大きく軽減してくれます。

利子がついても低金利

保証人がいなくても借りられることは先に書きましたが、その場合は利子が発生します。しかしそれは、1.0%と非常に低金利です。

この低金利は、ほかの様々な金融機関と比べても群を抜いて低いですよね。利子がついても返済の負担をできるだけ軽くしてくれる、これも母子家庭におすすめの大きな理由です。

借りられる資金の種類が多い

母子父子寡婦福資金貸付金は、借りられる資金の数が多いのも理由です。

大きく分けて12種類の資金があり、生活費から就職、子供の結婚資金まで、多くあるのが特徴です。

  • 事業開始資金
  • 事業継続資金
  • 修学資金
  • 技能習得資金
  • 修業資金
  • 就職支度資金
  • 医療介護資金
  • 生活資金
  • 住宅資金
  • 転宅資金
  • 就業支度資金
  • 結婚資金

借りられる金額や償還期間などは資金ごとに違うので確認が必要ですが、いずれも保証人がいれば無利子、いなくても金利年1.0%です。

母子家庭がお金を借りる、母子父子寡婦福資金の借り方

母子父子寡婦福資金貸付金の借り方は、次の様な流れになります。

借入の相談をする

まず最初に、市役所や区役所で借り入れの相談をします。相談は貸付の担当者や、ケースワーカーに現状を伝えつつ相談します。

申請する

相談の結果、借り入れが決まれば、次に申請書類を提出します。申し込みに必要な書類としては、次のものがあります。

申請書類

  • 貸付申請書
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • 印鑑登録証明書
  • マイナンバー証や免許証などの本人確認書類

貸付申請書は、市役所でもらうことができます。

もし保証人がいる場合は

  • 保証人の印鑑登録証明書
  • 保証人の収入が分かる書類

も必要になります。

提出された書類から審査が行われ、年収に対して返済額は妥当かどうかなど、適正な金額か検討されます。

資金交付

審査の結果、貸付が必要だと判断されたら資金が交付されます。

保証人がいる場合は借主と保証人とで貸付金遵守条項を確認し、署名捺印することで借用書を作成していきます。さらに面談で、貸付内容の確認や返済の意思を再確認されます。

また、貸付金の振込や返済のための金融機関の口座の確認もしていきます。

母子家庭がお金を借りる、母子父子寡婦福資金が利用できないのは?

母子父子寡婦福資金貸付制度は、子供を扶養する母子家庭の方であれば基本的に利用可能ですが、場合によっては利用できないこともあります。

ここではどのような場合に利用できないか、見ていきます。

借金がある

借金があるケースでは、貸付を受けるのは難しくなります。それは、母子父子寡婦福資金貸付制度での貸付がほかの借金返済に使われるのでは、と疑われるからです。

他に借金の返済につかわれれば、母子父子寡婦福資金貸付制度による貸付の返済ができなくなる可能性があります。母子父子寡婦福資金貸付制度は税金が原資なので、そういった判断は非常に厳しくなることは覚えておきましょう。

収入が不安定

また、世帯に一定の収入があるかどうかもしっかり審査されます。返済するためには、ある程度の収入が必要となるからで、こちらも厳しく調べられます。

働いていたとしてもそれが不定期で、収入があったりなかったりする場合は、審査に通ることは難しいでしょう。

正社員でないといけないということはなく、母子家庭に方に多いパートやアルバイトでも、毎月安定した収入があればお金を借りることができます。

まれに無職でも審査に通ることがありますが、それは既に就職先が決まっているケースで、働いて安定した収入が得られる見込みがあると判断されるケースです。

また、母親が妊娠中で働くことができないといった事情であれば、それだけの理由で審査で落とされることはありません。

年齢

年齢にも条件があります。

申請時に60歳未満であり、健康であることが条件となっています。

しかし、60歳というのは標準的な目安で、特別な事情がある場合は、60歳を過ぎていても審査に通るケースもあります。

ローンの保証人になっている

他の人の自動車ローンや住宅ローンなど、何かのローンの保証人となっている場合は、審査に通らないので注意しましょう。

よくあるのが、親の住宅ローンの保証人になっているケースです。この場合も融資が受けられないので注意が必要です。

自己破産した

自己破産をした人も、融資を受けることはできません。

それは一般的なローンの審査と同じく、個人情報を開示した上で審査が行われるため、自己破産のような債務整理があると審査に落ちてしまいます。自己破産=返済能力がない、と判断されるからです。

母子家庭でお金を借りる、母子父子寡婦福祉資金の注意点は?

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の注意点は2つあります。

資金交付まで結構時間がかかります

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度で覚えておきたいのが、資金交付まで結構時間がかかる、ということです。

相談から資金交付までの時間は長く、1ヶ月程度はかかると思っておきましょう。

申請するときにはさまざま書類を提出しますが、それらを全て綿密に精査し、審査するため、結果としてどうしても時間がかかってしまうのです。

いつお金が必要なのか、そのタイミングに合わせるためには、早めの申請が必要です。

滞納時に違約金が発生します

毎月決まった金額を返済していくことになりますが、もし返済を滞納した場合、違約金が発生します。つまり、余分に返済しなくてはいけなくなります。

違約金は年間で3.0%とそれほど高くはありませんが、それでも返済の負担が増えることになるので、遅れることなく返済していくことが重要です。

母子家庭でお金を借りるなら、早めに申請を!

母子家庭がお金を借りるとき、おすすめは母子父子寡婦福祉資金貸付金制度です。その一番の理由は、保証人が立てられなくても借りることができるからです。

借りるときの流れは、まず市役所や区役所に行き、借り入れの相談をするところから始まります。申請書類を添えて申請し、審査を待ちます。

そして注意すべきこととしては、資金交付までに1ヶ月程度かってしまうので、お金を借りることを決めたら、早めに申請することです。

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