母子家庭が利用できる国の貸付制度とは

母子家庭になって経済的に苦しくなる方は多いでしょう。それまで働いていたとしても大抵は共働きで、収入が自分ひとりになってしまうと、生活に大きな影響が出てきます。

専業主婦であったなら、事態はますます深刻でしょう。養育費をもらうことになった場合でも、生活費とするには足らないことがほとんどです。

母子家庭になってすぐは、貯金などでしのぐことができるかもしれませんが、この先、子供と一緒に安定した生活を送るためには、毎月定期的な収入が必要ですよね。

収入としては、母親が働きに出て給料をもらう、というのが一般的でしょう。自営業で収入もそれなり、という方もいるとは思いますが、それは少数ですよね。多くは生活のため、そして子供のため、頑張って毎日働くことになります。

それでもどうしても生活費が足りない、というときはどうしますか?

親や兄弟など親族から借りる、という人は多いと思いますが、それでも限界がありますよね。また、頼れる親族がいない、という世帯もいるでしょう。

そうなると次に考えるのは、どこかからお金を借りることでしょう。

お金を貸してくれる所は沢山あります。最もポピュラーなのは銀行ですが、個人の生活費を借してくれる銀行はまずありません。担保も必要です。

となると思い浮かぶのは、テレビなどでもよく宣伝をしている金融機関です。

ただし、借りるのは簡単ですが、金利は高く利子だけでもかなの金額になり、すぐに大きな負担となって跳ね返ってきてしまい、現実的ではありません。

そこで、経済的に苦しい母子家庭の人に利用をおすすめしたい貸付制度に「母子寡婦福祉資金貸付金」があります。

ここでは、母子寡婦福祉資金貸付金がどのような貸付制度なのか、詳しく紹介したいと思います。

目次

母子家庭向けの貸付制度、母子寡婦福祉資金貸付金とは?

母子父子寡婦福祉資金貸付金

母子寡婦福祉資金貸付金は、正式には「母子父子寡婦福祉資金貸付金」と呼ばれ、その名の通り、配偶者のいない母子家庭あるいは父子家庭、寡婦で、扶養している子供が20歳未満の世帯を対象にした厚生労働省が取り扱う公的な貸付制度です。

なお、この寡婦というのは、離別や死別を理由に配偶者と別れた独身女性が該当します。

つまり、経済的に苦しい片親の世帯をサポートするための貸付制度が母子父子寡婦福祉資金貸付金です。

利子

母子父子寡婦福祉資金貸付金の一番の特徴は、無利子でお金を借りられることです。ただし、この無利子でお金を借りるためには保証人を立てなければなりません。

しかし母子家庭の人の中には、保証人を立てることが難しい人もいるでしょう。そこでそういった事情を考慮し、保証人を立てられない人でも本制度は利用可能になっています。

保証人なしで本制度を利用した場合、年率1.0%の金利が発生します。この1.0%の年率で発生する利子は、10万円借りて1年間で548円です。

このように、誰でも無利子で借りられるというわけではありませんが、それでもほかの金融機関からお金を借りた場合と比べると圧倒的に低く設定されてはいるので、返済の負担はかなり軽減されます。

資金の種類

母子父子寡婦福祉資金貸付金のもうひとつの特徴に、借りられる資金の種類が多い、というものがあります。大きく分けても12種類の資金が用意されており、その用途によって借りられる額の上限値にも違いがあります。(男女共同参画局ホームページより抜粋)

 資金の種類    内容     限度額         償還期間  利率     
事業開始資金事業を開始するのに必要な設備、什器、機械等の購入資金3,140,000円7年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
事業継続資金現在営んでいる事業を継続するために必要な商品、材料等を購入する運転資金1,570,000円7年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
修学資金高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院又は専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金私立の自宅外通学の場合
高校・専修学校(高等課程):
月額52,500円
高等専門学校:
 月額[1~3年]52,500円
  [4~5年]115,000円
専修学校(専門課程):
 月額126,500円
短期大学:
 月額131,000円
大学:
 月額146,000円
大学院(修士課程):
 月額132,000円
大学院(博士課程):
 月額183,000円
専修学校(一般課程):
 月額51,000円
20年以内無利子
技能習得資金自ら事業を開始し又は会社等に就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金月額 68,000円
運転免許 460,000円
20年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
修業資金事業を開始し又は就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金月額 68,000円20年以内無利子
就職支度資金就職するために直接必要な被服、履物等及び通勤用自動車等を購入する資金一般 100,000円6年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
医療介護資金医療又は介護を受けるために必要な資金【医療】 340,000円
【介護】 500,000円
5年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
生活資金知識技能を習得している間、医療若しくは介護を受けている間、母子家庭又は父子家庭になって間もない(7年未満)者の生活を安定・継続する間(生活安定期間)又は失業中の生活を安定・継続するのに必要な生活補給資金月額 105,000円5年~20年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
住宅資金住宅を建設し、購入し、補修し、保全し、改築し、又は増築するのに必要な資金1,500,000円6年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
転宅資金住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金260,000円3年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
就学支度資金就学、修業するために必要な被服等の購入に必要な資金小学校 64,300円
中学校 81,000円
国公立高校等 160,000円
修業施設 282,000円
私立高校等 420,000円
国公立大学・短大・大学院等 420,000円
私立大学・短大等 590,000円
5年~20年無利子
結婚資金母子家庭の母又は父子家庭の父が扶養する児童及び寡婦が扶養する20歳以上の子の婚姻に際し必要な資金300,000円5年以内(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%

このように、借りられる資金は一般的な生活や子供の教育費だけでなく、事業を始めるための資金や子供の結婚資金など、その用途は非常に多岐にわたるため、さまざまな機会に利用できる制度です。

国からお金を借りられる制度はほかにもたくさんあるものの、これほど広い用途が用意された貸付制度はありません。ほかの貸付制度で借りられるのは、生活費や住居費など生きるために必要な最低限のサポートのみです。

この点からも、日本という国は、母子家庭や父子家庭のサポート体制に力を入れていると言えます。

ただ、あくまで国の融資の制度であり、その使い方には制限があります。投資目的の資金としてお金を借りたり、借金返済を目的とした貸付は受けられません。あくまで、母子家庭や父子家庭の人が経済的に自立できるよう支援することを目的とした制度だからです。

金銭的に困ったときには頼るべき制度ではあるものの、サポートしてもらうからには正しい使い方をしなければなりません。

母子家庭向けの貸付制度、母子父子寡婦福祉資金貸付金の多くは修学資金

なお、母子父子寡婦福祉資金貸付金はさまざまな目的のためにお金を借りられるものの、実際には9割近くが子供の修学資金が占めています。

要は、実際に本制度を使っている人のほとんどが、そのお金を子供の教育費に当てている、ということでしょう。

これら資金は、親だけでなく子供が借りることもでき、親が借りる場合子供が連帯借受人に、子供が借りる場合は親が連帯保証人となります。

大学生以上なると、子供本人が借りる形で本制度を利用するのが一般的です。一方で、学校卒業後半年間は利子のみの支払いでOKな据置期間が設けられています。

要は、保証人を立てて無利子で借りている場合、卒業後の半年間は返済義務が生じません。大学卒業後自分の生活をある程度整えてから返済を始められます。

返済する側の負担にもしっかり配慮されている、安心して利用できる国の制度が「母子父子寡婦福祉資金貸付金」です。

母子家庭や父子家庭でお金に困っている人は、ぜひその利用を検討してみてください。

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