母子家庭で生活をしている世帯にとって、母親が病気で働けないといった状態は大きな問題になります。と言うのは、母子家庭世帯のほとんどは母親が働き、収入を得ていることによって生活しているからです。
怪我や病気で働けないということになった時、真っ先に困るのは生活費をどうするか、でしょう。養育費をもらっていても、それだけで生活していけるケースはほとんどなく、何らかの収入が必要です。
そんな生活に直結するような問題において、母子家庭を援助するような様々な手当が存在することをご存知でしょうか。
どんな手当があるか知っていて、すでに支給を受けている方も多いと思いますが、それでも「これは知らなかった」という支援制度もあるかもしれません。
もしまだ支援を受けていないのであれば、すぐに申請したいですよね。
そこでここでは、母子家庭が利用可能な手当てと支援制度についてご紹介します。
児童手当

児童手当は、母子家庭だけでなくすべての世帯に支給される手当金です。中学校までの児童を養育している方が対象です。
支援時期は年間3回行われ、6月と10月、そして2月の3回で、ご自身が指定した銀行口座に振り込まれます。
ただし、子供の人数や所得制限によって支給される金額が変わりますのでご注意ください。
支給額
子供の年齢 | 支給額 |
3歳未満 | 15,000円 |
3歳以上小学校修了前 | 10,000円(第3子以降は15,000円) |
中学生 | 10,000円 |
所得制限額
所得制限については複雑なため、内閣府のホームページを参照下さい。
児童育成手当

児童育成手当とは18歳までの児童を扶養している母子家庭が対象です。一人当たり13,500円が支給されます。
こちらも所得制限があり、扶養する子供の人数によってその上限が定められています。
子供の数 | 所得制限額 |
一人 | 3,984,000円未満 |
二人 | 4,364,000円未満 |
三人以降 | 4,364,000円に一人当たり380,000円を加算した額未満 |
児童扶養手当

児童扶養手当は、母子家庭や父子家庭の児童扶養している家庭が対象です。
児童育成手当と似ていますが、所得制限の対象が異なり、児童育成手当は受給者のみで児童扶養手当の場合は、受給者のほかに扶養義務者の所得も対象になってきます。
支給金額は、扶養人数や所得によって異なります。
子供の数 | 全額支給 | 一部支給 |
一人 | 43,070円 | 10,160円~43,060円 |
二人 | 10,170円 | 10,160円~5,090円 |
三人 | 6,100円 | 6,090円~3,050円 |
病気で働けないなどの事情があり、所得が下がれば、それだけ支給額が上がる仕組みです。
また所得制限は二人世帯の場合、全部支給になるのは収入160万円、一部支給うになるのは年収365万円です。詳しくは厚生労働省のホームページを参照下さい。
母子家庭では、住宅手当が支給されます

これは市区町村独自の制度のため、実施してない市区町村もありますので、ご自分の地域が適応しているか調べてみる必要があります。
金額も市区町村によって変わってきます。
支給条件は、市区町村によって異なってきますが、代表的なものとして以下が挙げられます。
- 母子家庭で20歳未満の子供を扶養している。
- 民家アパートに住んでいて申請している住所地に住民票があること。
- 申請していたアパートの住所地に6ヶ月以上住んでいる事
- 生活保護を受けていないこと
支給される金額については、平均で月額5000円から10,000円ほどです。それほど大きな金額ではないかもしれませんが、それでも生活費の足しになり、助かりますよね。
母子家庭の子供の医療費助成制度

子供の医療費の自己負担額の一部を市区町村が負担してくれます。対象になるのは、18歳に到達して最初の3月31日までの年齢の子どもがいるひとり親世帯です。
しかし、所得制限があり、一定の所得を超えていると、この制度を利用することができません。
子供の数 | 所得制限額 |
一人 | 230万円 |
二人 | 268万円 |
三人 | 306万円 |
子供四人以上 | 一人当たり38万円加算 |
母子家庭の遺族年金

不幸にも配偶者が死亡して母子家庭となってしまった場合、ご本人が受け取る予定だった厚生年金の4分の3の金額が支給されます。配偶者が亡くなるなどな精神的なショックを受け、うつ病などの病気で働けないといった状況でも、一定の収入を得られる制度になっています。
ただし、支給される金額は、死亡した親権者が加入していた年金や、子供の有無などによって変わってきます。遺族基礎年金は780,900円で、子供が1人から2人の場合、1人あたり224,700円を加算します。
受け取ることができる期間は、子供が18歳になるまでです。
遺族厚生年金は、子供のいない妻などが対象になります。受け取れる期間は、妻が死亡するまでです。
ところが例外的に早くして配偶者をなくした場合、30歳未満であったケースなどでは、子供が18歳に達するなど、基礎年金の資格を失効してから5年間で停止されます。
生活保護

生活保護は、国が必要最低限の生活を保障しながら、本人が自立することを目的に作られた制度です。
病気で働けないといった状況が続き、生活が困窮してしまった場合、最後の手段として考える支援です。支援対象になるのか確認をお勧めします。
生活保護を受けるには、3つの条件があります。
- 援助してくれる身内や親戚がいないこと。
- 資産を持っていないこと(貯金や持ち家、車を持っている場合は、資産を売却し無ければ、生活保護を受けることができません)
- 病気で働けないなどのやむを得ない事情で働けない場合
月収が最低生活費を下回っており、かつ上記3つの条件を満たしている場合は、生活保護を受けることができます。
生活保護は恥ずかしいと思うような方もおられるでしょう。しかし、最低限の生活を保障するしっかりとした制度なので、大切な子供のためにもちゃんと申請をして利用するようにしましょう。