大学無償化を母子家庭が利用できるかわかるシュミレーションとは?

日本では、多くの学生が大学に通っていますよね。いい大学に入っていい会社に就職すれば、収入がよくて生活は安定する、と言われてきましたが、それが多くの子供が大学に通う一番の理由でした。

これまでの教育は詰め込みで、これからの答えのない時代を生きていくには単に大学を出ているだけではダメだ、という意見がありますが、これは本当なのでしょうか?

確かに考え方としては間違っていないのでしょうが、実際の企業の採用状況を見てみると、実は昔と変わらず、大企業になるほど有名大学の学生を中心に採用をしています。

これには2つ、理由があると思います。一つは、いい大学に行っている学生は相応の能力を持っていると判断されること、もうひとつは、必要な人材は会社に入ってから育てるもの、という考えがあるからです。そのためには、ある程度のベースが担保できる著名な大学の学生を選択する必要があります。

多くの学生は大学に行きますが、もちろん、行かない学生もいます。そしてその中には、経済的な理由で行きたくてもいけない子供もいます。

少子高齢化が進むこの国では、将来のことを考えると少子化対策は必要不可欠です。そして学力低下が叫ばれている昨今では、それと同じくらい教育制度の改革も重要になってきています。

ただ実際には、教育と言うのは本当に難しい課題で、改革は簡単ではありません。教科書の1文を変えるだけでも大きな議論になったりするほどで、実際には改革はなかなか進んでいないのが実態でしょう。

しかし、そういう改革はなかなか進まない一方で、新たな制度もできています。それが高等教育等修業支援新制度です。

高等教育等修業支援新制度というのは、経済的に大学等への進学が困難な世帯の学生が進学できるように支援する制度で、通称、大学無償化とも呼ばれ、令和2年4月から運用が始まっています。

教育改革は難しいですが、経済支援によって子供の学習する機会を増やすという考えですね。これは確かにいい制度でしょう。

ここではこの大学無償化について、利用するにはどうしたらいいか、詳しく見ていきます。また、大学無償化を母子家庭が利用できるかどうか、事前にわかるシュミレーションがありますので、それも併せて紹介します。

目次

大学無償化を受けるための条件とは?

大学無償化は母子家庭なら誰でも可能なわけではなく、実際に大学無償化で大学へ通うためにはいくつかの条件を満たさなければいけません。

返済の義務がない給付型奨学金や大学の授業料免除などの仕組みを使うことで大学無償化は可能ですが、資産や成績、さらには収入の条件に当てはまらない場合には、無償で大学に通うことができないので注意しましょう。

収入の条件

収入の条件としては、住民税非課税世帯、あるいはそれに準じる世帯であること、となっています。

住民税が非課税になるのは収入が少ない世帯であり、その収入の上限金額が世帯で扶養する人数で決まってきています。

資産

申込日時点の学生等本人と生計維持者(2人)の資産額(※)の合計が 2,000万円未満(生計維持者が1人のときは1,250万円未満)であること、となっています。(JASSOホームページより)

しかし条件を満たす必要があると言われても、自分が条件に当てはまるかどうかわからず困ってしまう方も多くいます。そこで母子家庭で大学無償化が利用可能かどうか、自分でわかるシミュレーションを使ってみましょう。

大学無償化を利用できるかわかるシュミレーションとは?

母子家庭の方が実際に自分でシュミレーションをする際に注意が必要なポイントの1つが、収入条件は家族構成によって変わってくるという点です。

ひとり親かどうか、兄弟の有無などの条件も関わってくるため、自分の状況を確認してからシュミレーションを利用することも重要なポイントです。

母子家庭の場合は「ひとり親」を選択していくことになります。

個人で計算してシュミレーションをしようと思うと、計算ミスや条件の確認ミスなどの理由で正しい結果にならない可能性もあります。まずはシュミレーションを使ってみたうえで、大学進学の際にどのくらいのお金が必要となるのか算出してみましょう。

日本学生支援機構のホームページの進学資金シミュレーターが利用可能ですが、基本的にいくつかの項目を選択していくことで結果が算出されます。

進学資金シミュレーター

結果を算出する際には、家族構成のほかに、年収や社会保険料などの龍力欄もあります。

年収や社会保険料、寡婦控除を受けているかなどの条件で大学無償化が可能かどうか変わってくるため、シュミレーションを利用する前に数字をチェックしておくことも必要です。

大学無償化をシュミレーション、利用できないとわかったときは?

シュミレーションの結果、大学無償化にはならないという場合もあるでしょう。

母子家庭で年収が一定以上などの場合であれば、授業料の一部免除などは利用できても、無償化とまではいかない場合も多くあります。

授業料の一部免除であっても、大学進学のための負担が減ることには変わりません。そのため無償化ができないという点を見ただけでシュミレーションの利用を辞めるのではなく、どのくらいの金額が免除できる可能性があるのか、大学卒業までにどのくらいのお金がかかりそうか、目安を把握しておきましょう。

トータルで必要になりそうな金額を事前に把握しておくことで、お金の契約が立てやすくなります。

大学無償化をシュミレーションする時の注意とは?

大学無償化で注意が必要な点の1つが、同じ家族構成で同じくらいの年収であっても、資産状況によってシミュレーションの結果が変わってくるという点です。これは母子家庭であっても変わりません。

中には資産を少なめの数字でシミュレーションをしたいと考える方もいるかもしれません。実際に授業料免除などの申し込みで嘘の数字を書くのはNG行為なので、正しい数字を調べてからシミュレーションを利用することも忘れてはいけません。

正式な書類で嘘の記載をしたことが発覚した場合、何らかのペナルティが発生するリスクもあるため、細心の注意が必要です。

また大学無償化のシミュレーションの結果、大学に無償で通えそうとわかったとします。ですがシュミレーションの結果はあくまで目安に過ぎないため、必要な条件を満たさなくなった場合、授業料などを支払う必要が出てくるという点を押さえておきましょう。

特に注意が必要となるのが、成績の問題です。

大学無償化のためには、一定以上の成績を修める必要があります。アルバイトなどで学業をおろそかにしてしまうと、成績が下がって大学無償化の条件を満たせなくなってしまう可能性もあることに注意が必要です。母子家庭で収入や資産の条件は満たしていても、成績が良くなければ、ということですね。

収入条件ばかりに注目する方も多くいますが、大学無償化のためには成績も重要な条件になってくると常に意識し、学業をおろそかにしないことが大切です。

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