母子家庭の子供の進学を支援してくれる入学祝い金とは?

子供が進学するとき、小学校ならランドセルや運動靴、中学校なら通学カバン、といったように、学校の物や文房具、教材の購入など、何かと物入りです。

学校指定の物や、通学に必要な物は買わなくてはいけないので、そうしても出費はかさんでしまいます。特にランドセルは安くても2万円くらいと、安くはないですよね。

子供の成長は親にとって何よりの喜びですが、これは特に経済的に苦しい母子家庭にとっては問題で、家計を圧迫す大きな原因になっています。中には、義務教育の超学校、中学校は行かせることができても、高校は苦しいのであきらめてしまった、という方もいます。

そこで考えたいのが、入学祝い金です。

日本には、母子家庭や父子家庭など、ひとり親家庭の経済的な支援を目的にした支援制度が色々とありますよね。児童扶養手当などは受けている方は多いのではないでしょうか? 入学祝い金もまた、母子家庭や父子家庭など、ひとり親家庭を支援してくれる制度なんです。

ただ児童扶養手当などと違うのは、入学祝い金は国が定める制度ではなく、各自治体や市町村が国とは別に独自に決めている制度になります。そのため、住んでいる地域によって入学祝い金をもらえる条件や金額が違ったり、入学祝い金がなかったりする地域もあります。

ここでは入学祝い金の制度を用意している地域を参考に、利用できる条件や、支給される金額などを調べてみました。

目次

母子家庭の入学祝い金が利用できる条件

各自治体や市町村が入学祝い金が利用できる条件としてあげているのは、主として次の4つです。

① その地域に住んでおり、子供を同地域の学校に通わせること
② 母子家庭、父子家庭、ひとり親家庭であること
③ 生活保護を受けていること
④ 収入の上限

順に詳細を見ていきます。

① その地域に住んでおり、子供を同地域の学校に通わせること

これは入学祝い金をもらう条件の大前提ですよね。地域が支給してくれる支援金ですから、その地域に住んでいることが必須条件になります。

② 母子家庭、父子家庭、ひとり親家庭であること

これは地域によって差があり、母子家庭やひとり親家庭でなくても入学祝い金を利用できるところもあります。ただしその場合は、生活保護を受けていることが条件であったり、収入が極端に少ないことが条件になっているなど、ほかの条件が付いているのが一般的です。

③ 生活保護を受けていること

上の②でも述べていますが、入学祝い金の支給の条件に、生活保護を受けていることを条件にしている自治体、市町村もあります。

生活保護を受けているということは、それくらい経済的に苦しい家庭ということであり、子供さんの就学を少しでも助けたい、という意思の表れですね。

④ 収入の上限

こちらも上の②で述べていますが、条件として収入の上限を設定することで、支給を受けられる
る家庭を限定しています。

例として東京都町田市の場合

世帯人数 賃貸物件に居住
2人 253~273万円
3人 290~344万円
4人 314~400万円

このように、入学祝い金の支給を受けられる家庭の条件が決められていますが、ここでひとつ、注意しなくてはいけないことがあります。それは、支給を受けられる家庭の数が限られていることが多い、ということです。

その理由として、入学祝い金は各自治体や市町村が支給していることから、その予算が限られているためです。理想は必要な家庭すべてに支給ですが、実際にはどの自治体、市町村にも予算という縛りがあって、その中でやりくりしないといけません。これは一般の家庭でも同じですよね。限られた収入の中で、色々な出費をまかなくてはいけないのと同じでしょう。

そのため、入学祝い金の支給は、「申し込み順」となっていることがほとんどです。そして、あらかじめ決められた家庭数分に達したら、受け付けてもらえなくなります。ですので、母子家庭になり子供の入学の予定があるのなら、できる限り早く申請しましょう。

母子家庭で支給される入学祝い金の金額は?

母子家庭で支給される入学祝い金は、国が支給する児童扶養手当のような一律の金額ではありません。各自治体、市町村から支給されることから、支給額はまちまちです。そのため、いくらくらい入学金がもらえるのかは、自分が済む地域の自治体やお役所に確認する必要があります。

いくつか例をあげてみます。

岐阜県各務原(かかみがはら)市

・児童一人につき1万円
・対象は、小学校、中学校の入学

東京都町田市

・小学校入学時51,110円

岡山県矢掛町

・小学校入学祝い金:児童一人につき3万円
・中学校入学祝い金:生徒一人につき5万円

中には、ホームページには金額の記載のない自治体、市町村もあり、ホームページに記載の問い合わせ先に聞いてみないとわからないところもあります。

母子家庭の入学祝い金の申し込み方法

母子家庭の入学祝い金の申し込み方法は、基本的には自治体や市町村のお役所の窓口に問い合わせをして申請書類を送ってもらうか取りに行き、戸籍謄本などのひとり親家庭を証明できる書類を添えて窓口に提出します。

先に入学祝い金の金額を記載した地域の例で見ると

岐阜県各務原市

「ひとり親家庭等児童入学祝金支給申請書」を提出することになっています。母子家庭などのひとり親家庭には限定していないため、そのことをを証明する書類は必要ありません。

東京都町田市

「就学援助費・奨励費申請書」を提出します。申請書は、町田市立小学校、町田市立中学校または学務課でもらえるほか、町田市のホームページからダウンロードすることもできます。
一緒に出さなくてはいけない書類は、

①賃貸住宅に住んでいることがわかる書類
賃貸借契約書のコピーや公営住宅の使用料の金額がわかる書類のコピーを用意します。

②今年度の課税・非課税証明書(前年度、町田市以外の地域に住んでいた人が対象)
もし用意できないときは、マイナンバーの使用同意書でも受け付けてもらえます。

岡山県矢掛町

支給申請書を教育委員会窓口に提出します。こちらも母子家庭などのひとり親家庭には限定していないため、そのことをを証明する書類は必要ありません。詳しくは、矢掛市の教育課 学校教育係に確認することになっています。

申請書を提出すると、まずその地域に住んでいることの確認が行われ、ひとり親家庭等の条件がある場合は、その確認が行われます。そして条件に当てはまることが確認されれば、認定の返信が送られてきます。

条件にあてはまらないと判断されると却下の返信が送られてきますが、もしその判定に疑問があれば、理由を丁寧に説明してくれますので窓口に問い合わせましょう。

母子家庭の入学祝い金、申請時期と支給時期

入学祝い金の申請時期と支給時期も自治体、市町村によってバラバラです。

先に例として挙げた岐阜県各務原市は、申請時期は入学する年の1月5日から2月15日までで支給は3月、東京都町田市は、申請時期は入学する年の2月末まで受け付け、支給は7月、岡山県矢掛町の場合は、申請時期は入学する年、支給は申請してから2ケ月以内、といった具合です。自分の住む地域ではいつ支給されるのか、確認が必要ですね。

母子家庭の入学祝い金を支給してくれるNPO法人とは?

これまでは、各自治体や市町村が支給してくれる入学祝い金について見てきましたが、NPO法人で母子家庭の入学祝い金を支給してくれるところがあります。

例として「しんぐるまざーず・ふぉーらむ」では、「コロナ禍により困窮するひとり親家庭の新入学のお子さんに支援金をお渡しする事業を実施」と称し、小学校、中学校、高校、大学、専門学校などに入学するひとり親家庭を対象に、入学祝い金を用意しています。

金額は、

小学校入学 25,000円
中学校入学 30,000円
高校・大学・専門学校等入学 50,000円

で、受付人数は1700人です。ネットか郵送での申し込みとなるほか、ひとり親であることの証明、収入条件の証明として児童扶養手当証書などが必要です。

全国で1700人までしか支給されませんが、先着順ではなく抽選(選考)ですから、忙しい母子家庭の方でも、時間のある時に申し込むことができますね。

調べればほかにもあるかもしれません。自分の住む地域のコミュニティーなどに確認してみてはいかがでしょうか?

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