給付型奨学金、母子家庭がもらえる確率はどれくらい?

母子家庭で子供を大学に行かせたい、子供が大学進学を希望している、そんなとき、経済的な支援をしてくれる制度の一つが給付型奨学金です。

少子高齢化が進む日本では子供の成長が何よりも大切ですが、なかには経済的な事情で、たとえ成績が優秀であっても大学等への進学をあきらめなくてはいけない子も少なくありません。

それは日本にとって大きな損失であることから、そういった家庭を経済的に支援することを目的として、令和2年4月から高等教育の修学支援新制度が実施されています。

これがいわゆる「大学無償化」で、入学費と学費の免除と給付型奨学金の二本柱から成っています。

このほかにも、自治体、企業などによる教育のための奨学金制度や支援制度、貸付金などがありますが、その中でも給付型奨学金は返還の必要がなく、子供が卒業して社会人になった後に借金を背負わせる心配のない制度です。

その一方で、給付型奨学金は非常に狭き門、とも言われています。それは、支給を受けるには条件があり、その条件が非常に厳しいものであるからです。申し込んだ人が全員受け取れるわけではなく、厳格な審査があり、その審査に通らないと支給を受けることはできません。

ただ、あまりに可能性が低いものを当てにしても意味が無いですよね。そこでここでは、主に母子家庭が給付型奨学金をもらえる確率はどれくらいなのか、検証していきます。

目次

給付型奨学金の種類

給付型奨学金の種類

給付型奨学金は、返済の必要がない奨学金で、主に以下のような種類があります。

公的な給付型奨学金

公的な給付型奨学金は、国や地方公共団体が提供する奨学金です。これらは、学業成績や家庭の経済状況などを考慮して支給されます。例えば、日本学生支援機構の給付型奨学金は、大学生や専門学校生などが対象となり、学業成績や家庭の経済状況に応じて年間120万円までの給付が行われます。

私立学校の給付型奨学金

私立の大学や専門学校なども、自己の学生を対象に給付型奨学金を提供しています。これらは、学業成績や特技、活動歴などを基に選考されます。学校独自の奨学金のため、その内容は学校により大きく異なります。

民間企業や財団の給付型奨学金

民間企業や財団も、自社の社会貢献活動の一環として給付型奨学金を提供しています。これらの奨学金は、学業成績だけでなく、志望動機や将来の目標なども重視されます。また、企業や財団の理念に合致した学生を対象にすることが多いです。

以上のように、給付型奨学金はその提供者や対象者、選考基準などにより様々な種類があります。

各奨学金の詳細と特徴

公的な給付型奨学金

公的な給付型奨学金は、国や地方公共団体が提供するもので、その最大の特徴は安定性です。国や地方公共団体が提供するため、給付が途絶えることはありません。また、一部の奨学金では、学業成績が一定の基準を満たしていれば、経済状況に関係なく申請することができます。

私立学校の給付型奨学金

私立の大学や専門学校が提供する給付型奨学金は、その学校に通う学生が対象となります。これらの奨学金は、学業成績や特技、活動歴などを基に選考されます。学校独自の奨学金のため、その内容は学校により大きく異なります。一部の学校では、特定の学部や専攻の学生を対象にした奨学金を設けている場合もあります。

民間企業や財団の給付型奨学金

民間企業や財団が提供する給付型奨学金は、その企業や財団の理念に合致した学生を対象にすることが多いです。これらの奨学金は、学業成績だけでなく、志望動機や将来の目標なども重視されます。また、一部の奨学金では、特定の地域や業界に関連する学生を対象にしている場合もあります。

このように、各給付型奨学金はその提供者や対象者、選考基準などにより、詳細と特徴が大きく異なります。

給付型奨学金をもらえる確率、まず審査があります

基本的には奨学金を受けるには審査があり、その審査に通らないと母子家庭であっても奨学金を受けることはできません。

給付型奨学金にも審査はあり、大きく分けて、学生を養育している世帯の収入と、学生の成績および学ぶ意欲が対象になります。

学生を養育している世帯の収入

これは、決められた収入以下であることが条件で、扶養数などで条件に当てはまる収入は変わってきます。

学生の成績および学ぶ意欲

奨学金の中でも給付型奨学金は返還の必要がないことから、ここを非常に厳格に見ます。日本の将来のために、というのが給付型奨学金の大義ですから、自分の将来を考えてしっかり勉強する学生である必要があります。

成績は中より上で、これは数字ではっきりで出てくるのでわかりやすいいですが、問題は学ぶ意欲です。

こちらは数字でもなく、〇×でもありません。いわゆる記述式で、将来何がしたいのか、何を目指しているのか、何のために勉強するのか、その目的、どれくらいの熱意があるのか、といったことを自分の言葉で書いたレポートになります。

審査に通らない学生のほとんどは、成績はよくても、ここで審査に落ちていると考えられます。

ただ、それはやむを得ないことでもあります。奨学金は無限ではなく、支給できる上限の金額があるからです。申し込んだ学生全員に支給できるほどの余裕は、どの運営団体もありません。

また、勉強する意欲が乏しい学生に奨学金を支給しても、日本の将来を考えると得策でないことは明確ですよね。

給付型奨学金がもらえる確率がどれくらいかは、まずこの審査に通ることが前提になります。

給付型奨学金の申請方法

奨学金申請の流れ

奨学金の申請は、一見複雑に見えるかもしれませんが、一歩一歩進めていくことで、無事に申請を終えることができます。以下に、その流れを詳しく説明します。

奨学金の種類を調査

まずは、自分が申請可能な奨学金の種類を調査します。学校の学生課やキャリアセンター、または各奨学金団体のウェブサイトなどで情報を集めましょう。

申請資格を確認

次に、申請資格を確認します。奨学金にはそれぞれ申請資格が設けられており、これを満たしていなければ申請できません。資格は、学年や成績、家庭の経済状況など、様々な要素によって決まります。

必要書類の準備

申請資格を満たしていることが確認できたら、必要な書類の準備に移ります。身分証明書や収入証明書など、申請に必要な書類は奨学金の種類によって異なります。

申請書の作成

必要な書類が揃ったら、申請書の作成に取り掛かります。申請書には、自己紹介や奨学金を受ける理由、将来の目標などを詳細に書きます。自分の思いや意欲を伝える重要な部分なので、丁寧に書くことが求められます。

申請書の提出

申請書が完成したら、必要な書類と共に提出します。提出方法は、郵送や直接持ち込み、オンライン提出など、奨学金の種類によって異なります。

申請に必要な書類

申請を行う際には、必要な書類を揃えることが求められます。書類は、申請者の身元や資格を証明するためのものであり、適切に提出することが重要となります。

身分証明書

まず最初に必要となるのが身分証明書です。運転免許証やパスポート、住民基本台帳カードなど、写真付きで本人確認ができるものを用意しましょう。

収入証明書

次に、収入証明書が必要となる場合があります。これは、税務署や市役所で発行してもらうことができます。申請者の年収や所得を証明するためのもので、申請の審査において重要な役割を果たします。

その他の書類

その他、申請内容によっては、専門的な資格を証明する書類や、申請者の状況を詳細に説明するための書類が必要となることもあります。具体的な書類は、申請する機関や内容により異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

申請を進める前に、必要な書類が全て揃っているか確認し、適切に提出することでスムーズな申請が可能となります。

給付型奨学金の申請時期

給付型奨学金の申請は、特定の期間に設定されています。申請時期は、各学校や奨学金の種類によって違うので、申請を行う際には事前に日程や必要書類の確認が必要です。

申請開始日と締め切り

給付型奨学金の申請の受付開始日や締め切り日は、奨学金を提供する機関や種類によって変わります。国や自治体、私立の財団など、さまざまな組織が奨学金を提供していますが、それぞれが独自の日程を設定しています。

申請期間は、短いものでは数週間、長いものでは数ヶ月となる場合もあります。学生が必要な書類を集め、申請書を記入し、提出するための時間として設けられています。

申請の受付開始日は、多くの場合、新学期が始まる前後が一般的です。これは、新しい学年を迎える学生が奨学金の支援を受けるためのタイミングとして最適だからです。締め切り日には、申請書や必要書類を提供する機関に届ける必要があります。

申請を行う際には、各機関の公式サイトや案内書を確認し、日程や必要書類、申請方法の確認は必須です。

必要書類の準備方法

給付型奨学金の申請に必要な書類は、学業成績証明書や居住証明書などが一般的です。これらの書類は、学校や市役所などから取得することができます。申請書の記入には、正確さが求められるため、注意して記入することが必要です。

学業成績証明書

給付型奨学金を申請する際、いくつかの書類を準備する必要があります。最も基本的な書類として、学業成績証明書が挙げられます。この証明書は、学生が過去の学業でどのような成果を上げてきたかを示すもので、学校の教務課や学務課から発行を受けることができます。

居住証明書

居住証明書も申請の際に必要とされる書類の一つです。居住証明書は、申請者が現在どこに住んでいるかを証明するもので、市役所や区役所の窓口で取得することができます。この書類は、申請者の現住所が正確に記載されているかを確認するために使用されます。

申請書に記入する際は、各項目を正確に、そして丁寧に記入する必要があります。特に、金額や日付などの数値データは、誤りが生じやすい部分ですので、再確認を行いながら記入しましょう。不明点や記入方法については、奨学金を提供する機関の案内書や公式サイトを参照すると良いでしょう。

申請後の手順と結果の通知時期

給付型奨学金の申請を完了すると、次は審査の段階に進みます。この審査は、申請者の学業の実績や家庭の経済状況を詳細に調査し、奨学金の受給資格を判断します。

学業の実績については、学業成績証明書をもとに、申請者が一定の学業成果を持っているかを確認します。特に成績が優れている学生は、受給が有利になる傾向にあります。家庭の経済状況については、収入証明書や税証明書などの公的な書類を基に、申請者の家庭が経済的な支援を必要としているかを判断します。

審査の結果は、申請から数週間後や数ヶ月後に、郵送か電子メールで受けります。通知には、奨学金の受給資格や受給金額、支給時期などの詳細が記載されています。もし不合格となった場合、その理由や再申請の方法などが記載されています。

給付型奨学金の選考過程

給付型奨学金を受け取るためには、一定の選考過程を経る必要があります。この選考過程は、学生の経済的な状況や学業成績、志望動機など、さまざまな要因を基にして行われます。給付型奨学金の選考過程を知ることで、もらえる確率を上げるヒントを得ることができます。

面接の有無とその内容

給付型奨学金の選考過程において、面接が行われる場合と行われない場合があります。面接の有無は、提供する奨学金の機関やその奨学金の規模、目的によって異なります。大きな奨学金や競争率が高い奨学金では、面接が行われることが一般的です。

面接の主な目的は、書類審査だけでは判断できない学生の人柄やコミュニケーション能力、志望動機を確認することです。面接では、学生の過去の経験や将来の夢、奨学金を受け取ることでどのような活動を行いたいかなど、具体的な話を聞くことが多いです。

面接が行われる場合、事前に面接の日時や場所、持ち物などの詳細が通知されます。持ち物としては、履歴書や自己PR書、過去の成績証明書などが求められることが多いです。また、面接の際には正装での参加が求められることが一般的です。

面接では、自分の考えや意志をしっかりと伝えることが求められます。質問に対しては、明確かつ具体的に答えることが重要です。また、面接官の質問に対して、迅速に答えるだけでなく、自分の経験や考えを元にした答えを用意することで、給付型奨学金のもらえる確率を上げることができます。

必要書類の詳細

給付型奨学金の申請時に提出する書類は、学生の経済的背景や学業の実績を確認する目的で要求されます。これらの書類は、奨学金の選考基準を満たしているかどうかを判断するための重要な要素となります。

収入証明書は、家庭の経済状況を示す書類で、学生やその家族の年収や資産状況を証明します。成績証明書は、学生の学業実績を示すもので、これにより学業に対する取り組みや成果を確認することができます。履歴書は、学生の学歴や活動歴、資格などをまとめたもので、学生のこれまでの経歴や実績を知るための書類です。

家計の状況を示す書類は、家族の収入や支出、資産などの詳細を記載したもので、学生の経済的な背景を詳しく知るためのものです。学業に対する意欲を示すエッセイは、学生が奨学金を受け取る意義や目的、将来の夢などを記述するもので、学生の意欲や考えを知るための書類となります。

奨学金の種類や提供する機関によって、必要な書類は異なることがあります。そのため、申請前には各機関の公式サイトや案内書を確認し、正確な書類を準備することが重要です。書類に誤りや不足がある場合、給付型奨学金の選考に不利となることも考えられるので、注意が必要です。

給付型奨学金の再申請と更新

給付型奨学金は一度受給すると自動的に継続されるわけではありません。学生は毎年、再申請や更新の手続きを行う必要があります。この手続きは、初回の申請とは異なる点がいくつか存在するため、注意が必要です。

再申請の条件と方法

給付型奨学金の再申請は、前年度に奨学金を受給した学生が対象となります。再申請の条件としては、前年度の学業成績が一定の基準を満たしていることや、経済的な困難が継続していることなどが挙げられます。再申請の方法は、専用の申請書を使用し、必要な書類とともに提出する形となります。

また、家庭の経済状況についてもあらためて判断されます。経済的な困難が継続している学生は、奨学金の支援を引き続き受けることができます。この判断は、収入証明書や税証明書などの公的な書類を基に行われます。

再申請を行う際には専用の申請書を使用します。この申請書には、学生の基本情報や家庭の経済状況、学業成績などの詳細を記入します。そして必要な書類と合わせて、指定された場所に提出します。提出期限や方法については、奨学金を提供する機関の公式サイトや案内書で確認できます。

奨学金の更新時期と手続き

給付型奨学金の更新時期や手続きは、提供機関や奨学金の種類によって異なることが考えられます。更新を希望する学生は、指定された期間内に更新の手続きを行う必要があります。

更新の際には、前年度の学業成績を示す成績証明書の提出が求められることが一般的です。この証明書は、学生が継続して一定の学業成果を上げているかを確認するためのものです。また、家庭の経済状況を示す収入証明書も提出が必要とされることがあります。

更新手続きを完了すると、奨学金の金額が決められます。前年度と同じになることもあれば、変わることもあります。金額は、その時の社会情勢、奨学金を扱っている団体の資金状況、学業成績や家庭の経済状況などに左右されます。具体的な更新の手続きや金額に関する情報は、提供機関の公式サイトや案内書で確認できます。

再申請・更新時の注意点

給付型奨学金の再申請や更新時には、いくつかの注意点が存在します。まず、申請の締め切りを厳守することが求められます。この締め切りを逃すと、その年度の奨学金の受給や更新ができなくなります。したがって、締め切り日を事前に確認し、計画的に申請手続きを進める必要があります。。

提出書類に関しても注意が必要です。書類に不足や誤りがあると、申請そのものが無効となることが考えられます。特に学業成績証明書や収入証明書など、公的な書類は正確に取得し、指定された期間内に提出することが求められます。

給付型奨学金は学業成績に基づいて授与されることが一般的です。一定の学業成績を維持しないと、奨学金の受給資格を維持することが難しくなることが考えられます。そのため、日常の学業に努力し、定期的に成績を確認することが大切です。

給付型奨学金の成功事例

給付型奨学金は多くの学生が受給を目指す奨学金の一つです。以下は、異なる背景を持つ学生たちが給付型奨学金を取得した実際の事例です。

成功事例1: 一般学生の場合

一般学生の田中さんは、福岡県の地方都市にある公立高校を卒業しました。彼の家庭は、農業を主な収入源としており、家計は決して裕福ではありませんでした。大学進学を希望する田中さんは、経済的な負担を軽減するために給付型奨学金の申請を考えました。

彼は、大学入試の勉強を続ける中で、地域のボランティア活動にも参加。特に、地域の清掃活動や高齢者のサポート活動に熱心に取り組んでいました。このような地域貢献活動は、奨学金の選考においても高く評価される要素の一つです。

また、田中さんは、高校時代の成績も非常に優秀でした。特に数学と英語の成績が高く、これが給付型奨学金の選考においてもプラスとなりました。彼の努力と地域への貢献が認められ、給付型奨学金を受給することができたのです。

成功事例2: 大学院生の場合

大学院生の佐藤さんは、東京都内の有名な大学の理工学研究科に所属していました。彼の専攻は環境工学で、特に再生可能エネルギーの研究に情熱を注いでいました。しかし、研究には高額な資金が必要で、彼自身の経済的な背景からその資金を捻出するのは難しい状況でした。

そこで、佐藤さんは給付型奨学金の申請を決意。申請書類には、研究の進捗、使用する機材や材料、そして研究の最終的な目標とその社会的意義を詳細に記載しました。彼の研究は、再生可能エネルギーの効率的な利用方法を探求するもので、これが実現すれば社会全体の持続可能性に大きく貢献するという点を強調しました。

佐藤さんの熱意と研究の価値が奨学金の選考委員会に認められ、給付型奨学金の受給が決定。これにより、彼は研究に専念することができるようになりました。

成功事例3: 短期大学生の場合

短大生の鈴木さんは、福岡県の短期大学に所属しており、医療事務の専門課程を学んでいました。彼女は、医療現場での即戦力として活躍するための専門的な技術と知識を習得することを目指していました。しかし、学費や教材費、実習にかかる費用など、資金的な負担が増える中での生活は困難を極めていました。

そこで、鈴木さんは給付型奨学金の申請を考えるようになりました。申請の際、彼女はこれまでの学業成績や、実習での評価、さらには医療事務としての将来のビジョンを詳細に書類に記載しました。特に、地域の医療機関での実習での実績や、そこでのフィードバックをアピール材料として強調しました。

鈴木さんの真摯な態度と、専門的な技術を習得するための情熱が奨学金の選考委員会に評価され、給付型奨学金の受給が決定。これにより、彼女は学業に専念し、より高度な技術を身につけることができるようになりました。

給付型奨学金の取得のための準備

給付型奨学金を受給するためには、適切な準備が必要です。以下は、その準備方法についての詳細です。

必要な書類の整理方法

給付型奨学金の申請を進める際、多くの書類が必要となります。特に、収入証明書や成績証明書は、申請者の経済的状況や学業の実績を示すための重要な書類です。その他にも、住民票の写しや保護者の収入に関する書類、学校の推薦状などが必要となる場合があります。

書類の整理には、以下の手順を参考にすると良いでしょう。

  • まず、申請に必要な書類のリストを作成します。
  • 次に、それぞれの書類を集め、期限や提出先を確認します。
  • 書類が複数ページにわたる場合、クリアファイルやファイルホルダーを使用して、1セットごとにまとめます。
  • 成績証明書や収入証明書など、取得に時間がかかる書類は早めに手続きを始めることが大切です。
  • 全ての書類が揃ったら、再度内容を確認し、不備がないかチェックします。

書類の整理や提出は、計画的に行い、申請の締め切りを逃さないよう注意が必要です。また、書類のコピーを取っておくと、後で確認する際に役立ちます。

推薦状の書き方のポイント

推薦状は、学生の特性や能力、過去の実績を第三者の視点から評価し、伝える書類です。この書類は、給付型奨学金の申請だけでなく、大学や大学院の入学試験、就職活動など、さまざまな場面で利用されます。

推薦状を書く際の主なポイントは以下の通りです。

  • 推薦者の所属と役職、学生との関係を明確に記載します。
  • 学生の学業成果や特技、活動歴などの具体的な実績を中心に記述します。
  • 学生の性格や人間性に関するエピソードを取り入れることで、読む人に深い印象を与えることができます。
  • 推薦の理由や学生の今後の可能性についての期待を述べます。
  • 文末には、推薦者の連絡先や署名を忘れずに記載します。

推薦状は、学生の将来を左右することもあるため、真摯に取り組むことが大切です。また、推薦状を依頼する学生側も、推薦者に感謝の意を示し、後日お礼を伝えることを忘れないよう心掛けましょう。

面接時の注意点

面接は、給付型奨学金の選考過程で非常に重要なステップとなります。面接官は、学生の意欲や人柄、そして将来の夢や目標を知るための手段として面接を行います。

面接を受ける際の主な注意点は以下の通りです。

  • 始めに、挨拶をしっかりと行い、第一印象を良くします。
  • 質問に対しては、はっきりとした声で、明確に答えます。
  • 自分の経験や学業成果を具体的な事例を交えて説明します。
  • 不明点や質問がある場合は、遠慮せずに質問します。
  • 面接の最後には、面接官に感謝の意を示し、挨拶を忘れずに行います。

面接は、自分をアピールする大切な機会です。事前の準備をしっかりと行い、自分の強みや経験を伝えることで、給付型奨学金の受給の可能性を高めることができます。

給付型奨学金がもらえる確率はどれくらい?

給付型奨学金には様々なものがありますが、日本で最も規模が大きくて有名なのは、JASSO(日本学生支援機構)の奨学金でしょう。親の世代にはJASSOよりも「育英会」と言った方が通りが良いかも知れません。

JASSOの給付型奨学金の給付実績はJASSOのウェブサイト上に掲載されており、令和3年度の給付型奨学金の対象者の人数(実績+新規)は、大学・短大・高専・専修学校合わせて、449,896名となっています。また文科省の「学校基本調査」によると、同年度の在学者数が3,077,135名となります。

このことから、単純計算で12%程が給付型奨学金がもらえる確率受給になります。

イメージよりも多いと感じるかも知れませんが、これはあくまで高等教育機関に進学した学生の中での割合です。

高校への進学率は97%を超えていますが、大学等の高等教育への進学率は84%ほどです。つまり学生全体から考えれば、給付型奨学金がもらえる確率は9%程に絞り込まれることになるのです。

給付型奨学金の審査基準

奨学金の審査基準

奨学金の審査基準は、奨学金の種類や提供団体により異なりますが、一般的には以下のような要素が考慮されます。

学業成績

多くの奨学金では、学業成績が審査基準の一部となります。高い学業成績を持つ学生は、自己啓発の意欲や能力が高いと評価され、奨学金の対象となりやすいです。

経済的な必要性

奨学金は、経済的な支援が必要な学生を対象としています。そのため、家庭の経済状況や自身の経済状況が審査基準に含まれます。

活動履歴

学業だけでなく、社会貢献活動やボランティア活動、クラブ活動などの経験も審査基準となることがあります。これらの活動は、学生の人間性や社会性を示すものとして評価されます。

志望動機書

奨学金の申請では、なぜその奨学金が必要なのか、どのように活用するのかを説明する志望動機書が求められることがあります。これは、学生の目標や意欲、計画を理解するための重要な審査基準となります。

給付型奨学金受給者の義務と責任

給付型奨学金を受給する学生には特定の義務と責任が伴います。義務と責任を遵守することで、学生は奨学金の恩恵を継続的に受けることができます。逆に、これらの義務や責任を怠ると、奨学金の受給資格を失うことになります。

奨学金受給中の報告義務

給付型奨学金を受給している学生は、学業成績や経済的状況を定期的に報告する義務があります。この報告は奨学金の継続的な受給を確保するためのものです。報告内容が基準を満たさないと、奨学金の金額が減らされたり受給資格を失うことが考えられます。

具体的には、学業成績証明書や収入証明書などの公的な書類を提出します。学業成績証明書や収入証明書は、学生が奨学金の受給資格を維持しているかを確認するためのものです。また、報告は年1回、指定された期間内に行うのが一般的です。

報告を怠ると、奨学金の受給資格を失うリスクがあります。そのため、報告の締め切りや必要な書類については、提供機関からの指示や案内をしっかりと確認し、適切に手続きを行う必要があります。

奨学金の返還条件

給付型奨学金は、通常返済の義務がないものです。しかし、特定の状況や行為によっては返還が必要となることが考えられます。具体的には、以下のような状況が該当します。

1. 虚偽の申告を行ったとき: 奨学金の申請時に不正確な情報を提供した場合、奨学金の返還が必要となることが考えられます。

2. 学業を中断または退学したとき: 奨学金を受給する資格を失った場合、受給していた奨学金の返還が必要となることが考えられます。

返還が必要となった場合、提供機関からの指示に従い、指定された期間内に返還手続きを進めることが一般的です。返還に関する詳細な手続きや条件は、奨学金を提供する機関の公式サイトや案内書で確認できます。

受給者の行動指針と期待

給付型奨学金の受給者として、特定の行動指針や期待が設けられています。これは、奨学金の目的や意義を守り、受給者自身が社会に貢献するためのものです。

1. 学業への取り組み: 受給者は、学業に対する熱意や努力を持ち続けることが期待されています。定期的なテストや試験での良好な成績維持は、奨学金の継続的な受給のためにも不可欠です。

2. 社会的な活動: 学外活動やボランティア活動に参加することで、社会への貢献や人間関係の構築が期待されています。これにより、受給者は広い視野やコミュニケーション能力を身につけることができます。

3. 奨学金の意義と責任: 奨学金を受け取ることは、多くの支援や期待を背負うことを意味します。そのため、受給者は奨学金の意義を深く理解し、それに見合った行動をとることが期待されています。具体的には、奨学金の提供者や社会に対する感謝の気持ちを持ち続けること、そしてその感謝を行動に移すことが大切です。

給付型奨学金をもらえる確率は低い、もし審査に落ちたら?

もしJASSOの給付型奨学金の審査に落ちてしまった場合は、二つの方法があります。

  • 再度、JASSOの給付型奨学金に申し込む
  • 別の給付型奨学金に申し込む

再度、給付型奨学金に申し込む

JASSOの給付型奨学金の審査で落ちてしまった場合、再度申し込むことが可能です。

そのため、先に算出しましたもらえる確率が9%というのは、実は再度申し込んだ結果が9%ということになります。

もし審査に通り、狭き門を突破した後も気を抜く事は出来ません。状況によっては奨学金の支給が打ち切りになるからです。

給付型奨学金は、出席率や成績の維持と計画書提出が必要となり、これを怠れば段階をへて打ち切りとなります。不正行為や退学なども勿論、打ち切りの対象になります。

また、条件のひとつである世帯収入が基準を超えた場合も、奨学金の支給は打ち切られます。

別の給付型奨学金に申し込む

JASSOの給付型奨学金の審査に落ちてしまった場合、その他の給付型奨学金を目指すことも可能です。

ネットで検索してみると、入学時点を支給の対象に給付型奨学金として、15件ほどがヒットします。

実施団体は主に民間の法人等で、明光義塾やZ会など、著名な学習塾関連から、コカ・コーラやDAISOなど、よく知られた一般企業まで様々です。

これらの民間の給付型奨学金の採用人数は1件あたり100人未満がほとんどで、全部合わせてもJASSOの1%前後であり、受給出来る全体の確率を左右するほどのものではありません。

また民間の給付型奨学金は、対象とする学生の条件をかなり限定している場合があります。この条件に合致するなら、給付型奨学金をもらえる確率はかなり高くなるでしょう。

例えば明光義塾の運営会社が設立した明光教育研究所の給付奨学金では、、ひとり親の子供であれば支給の対象となります。

似鳥国際奨学財団の日本人大学生対象給付型奨学金の場合では、学生本人が月20時間以上のアルバイトをしている、というユニークな条件が付きます。

給付型奨学金のFAQ

給付型奨学金に関して、よくある質問とその答えを以下にまとめました。

給付型奨学金の返済義務は?

給付型奨学金は、学生に経済的な支援を提供するための制度です。この奨学金は、基本的には返済不要の金額が支給される特徴があります。そのため、多くの学生が経済的な負担を軽減する手段として利用しています。

しかし、給付型奨学金にもいくつかの種類や提供機関が存在し、それぞれに独自の規定や条件が設けられています。例えば、一部の奨学金では、卒業後に特定の地域や業界での就職や活動を条件として、その条件を満たさない場合には返済が要されることも考えられます。

また、奨学金の受給中に学業を中断したり、指定された期間内に卒業できなかった場合など、奨学金の規定に違反した場合には、返済を求められることも考えられます。そのため、給付型奨学金を申請する際には、提供機関の規定や条件をしっかりと確認し、理解しておくことが重要です。

他の奨学金との併用は可能?

給付型奨学金は、学生の経済的な負担を軽減するための支援を目的としています。この奨学金を受け取ることで、学費や生活費の一部を補填することができるため、多くの学生が利用しています。

一方、他の奨学金との併用については、給付型奨学金を提供する機関や団体によって異なる規定や条件が設けられています。例えば、一部の給付型奨学金では、他の奨学金との併用が認められている場合もあれば、併用が制限されている場合もあります。

併用が認められている場合でも、受給額の上限や受給条件など、詳細な規定が設けられていることが考えられます。そのため、給付型奨学金と他の奨学金を併用する際には、事前に各奨学金の提供機関の公式情報を参照し、詳細な規定や条件を確認しておくことが大切です。

審査に落ちた場合の再申請は?

給付型奨学金の審査は、学業成績、家計の状況、志望動機など多岐にわたる要素を基に行われます。審査に落ちた場合、その理由は一概には言えませんが、多くの場合、提出書類の内容や面接時の態度などが影響しています。

落ちた理由を正確に知るためには、提供機関に直接問い合わせるのが最も確実です。多くの機関では、審査結果のフィードバックを受け取ることができるので、その情報を元に次回の申請に生かすことができます。

再申請を検討する際には、前回の申請での反省点を元に、書類の内容を見直したり、面接の練習を重ねるなどの努力が必要です。特に、推薦状や志望動機書の内容は、審査の際に大きな影響を与える要素となるため、十分な注意が必要です。

給付型奨学金をもらえる確率は低い、でもためらわずに応募を

給付型奨学金をもらえる確率は、決して大きいものではありませんが、非現実的に低いものでもありません。

本来、奨学金は高い学習意欲を持ちながら、経済的に困窮して進学を諦めざるを得ない子供のための制度です。

理念を把握していれば、自分の子供がそれに合致しているかが分かります。そして、もしも理念に合うならば応募をためらう理由はないでしょう。

万一不採用になったとしても、様々な支援制度を活用することでもらえる確率が上がり、比較的無理なく子供を進学させることができる場合もあります。

1つに固執するのではなく、周囲と相談しながら考えて行く事が大事でしょう。何より重要なのは子供の将来なのですから。

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