働き方改革が始まって以降、休みは取りやすくなりましたが「残業でバリバリ稼ぐ」というような昭和風の働き方は難しくなってきました。その反面、インターネットの普及で家にいながら様々な仕事ができるようになりました。
そしてこれを利用した副業も様々なものがあります。
比較的取り組みやすい副業として、ランサーズやクラウドワークスのような「アウトソーシングサイト」を利用して、様々な業務を請け負うという形があります。
これらのサイトでは、高い専門性を求められるものから、アンケートのような誰でも出来るものまで様々なものを受注可能です。
母子家庭の方の中にも、このようなサイトを利用して副業をしている人はいるのではないでしょうか。あるいは、収入を少しでも増やすために、何か自宅でできる仕事がないか探している方もいるかもしれません。
ただ、副業でするにしても、まず知りたいのはどれくらいの収入があるか、ですよね。
会社勤めならお給料は決まって入るので収入はわかりますが、こういった副業になると、収入がどれくらいになるか見当がつきません。
そこでここでは、アウトソーシングサイトで比較的良く見られる、ユーチューブの文字起こしの収入等について解説を行います。
ユーチューブ動画の文字起こし、報酬の相場はいくら?

アウトソーシングサイトで受注可能な「ユーチューブ動画の文字起こし」は、動画単位、文字単位、継続的な業務など、様々な単価で募集されています。
それぞれで決まった定価というのはなく、文字起こし全体としての報酬の相場は大まかには、
- 10分前後の音声:1000円未満
- 1時間程度の動画:5000円~10000円
あたりが昨今の相場です。音声を文字にするので長い音声ほど時間がかかり、報酬も増えていきます。
文字起こし作業に必要な時間はデータの5倍と言われています。10分の音声でも文字起こしには50分かかり、1時間の音声になれば5時間もかかる、ということです。
さらにそれだけでなく、見直しや修正、出来上がった文章にクライアントからリテイクが出る場合などもあり、そうなるとさらに時間がかかることになり、慣れないうちは1本で1日が潰れてしまうようなケースもあります。
母子家庭で、空き時間に、と考えている方もいると思いますが、やり始めると結構時間が取られることは理解しておいた方がいいでしょう。
これを時給に換算した場合、
- 初心者:500円前後
- 中級者:1000円前後
- 上級者:2000円前後
が昨今の時給の目安、ということになります。
難しい話になりますが、ユーチューブ動画の文字起こしをアウトソーシングサイトで受注した場合、立場としては、その仕事単位で請負作業をしている事になります。作業時間がかかり最低賃金を割り込んだとしても、今の法制度の中では直接的に違法にはなりません。
法律の「下請法」では、「買い叩きの禁止」等、報酬を不当に下げる事を禁じる条項はありますが、原材料などを必要としない文字起こし作業での適用は難しいからです。
ただこれはユーチューブの文字起こしに限ったことではなく、アウトソーシングの仕事全般に言えることかもしれません。
ユーチューブの文字起こし、収入の相場は?

ユーチューブの文字起こしを副業として行った場合、具体的な収入はいくらになるでしょうか。
母子家庭の方であれば、全ての休日を使うのは現実的ではありませんので、休日の半分を本業と同じスケジュールで作業すると考えてみましょう。
年間休日は土日だけで105日程度、祝日まで入れて120日程度です。
60日×8時間=480時間
これに時給を掛け算すると、
- 初心者:24万円
- 中級者:48万円
- 上級者:96万円
という年収になります。
ユーチューブの文字起こし、実際の年収はもっと下がる?

税金は差し引かれるにしても、これだけの副収入が得られるなら、と思うかも知れません。
ですが、この数字をそのまま信じるのは間違いです。それは、いつも自分の望むときにこの仕事があるとは限らないからです。
会社に勤めている感覚で、常に仕事があると思ってはいけません。あくまでもユーチューブの文字起こしの仕事を依頼する人、企業がいて、初めて収入につながるのです。
ここは、アウトソーシングでの仕事に共通するところで、自分ではどうにもならない点でしょう。
またアウトソーシングサイトでは、割の良い人気の案件は常に他人に取られる可能性を忘れてはなりません。そして常にサイトに貼り付いている専業の人とも張り合う必要が出て来ます。
そしてこれらのサイトで、仕事が溢れるほど並ぶ事は基本的にありません。
何故なら、仕事が溢れる程働き手が少ないサイトは、「今仕事をして欲しい」クライアントにとって利用価値がないからです。競争があるようなサイトにしか、割の良い案件はないと考えるべきでしょう。
仕事は基本的に早い者、実績がある者が取っていきます。初心者はまずは簡単な安い案件でコツコツ実績とスキルを積んでいく事になります。
そんな下積みや仕事探しの分を差し引くと、はじめてしばらくの収入は先ほどの額の半分以下になると思った方が良いでしょう。
もちろん、経験を重ね、スキルアップしていけば、それに伴って収入は増えていきます。なかなか時間の取れない母子家庭の方でも、早く文字起こしができるようになれば、それがそのまま収入アップにつながります。
そういった意味で、長期的な視点がユーチューブの文字起こしには必要でしょう。
ユーチューブの文字起こしは地道な仕事

結論としては、ユーチューブの文字起こしは、副業として成り立ちはしますが、決して「楽して儲かる」というほど収入額は多くなく、経験とスキルも積んで行く必要がある、なかなかに地道なお仕事ということです。
単に収入を得るだけなら、時給でアルバイトなどをする方が割りが良いでしょう。
但し、アウトソーシングサイトを使った副業は、PCやスマホがあればどこででも出来る手軽さがあり、これは母子家庭にとっては確かに取り組みやすい仕事でしょう。今後の仕事の主流になる可能性もあります。
もしもの時の頼れる収入源として、少しづつでもいいので取り組んでおくのは、充分意義のある事ではないでしょうか。