税金がいくらか知りたい、自分で計算できるシュミレーションとは?

母子家庭の場合、仕事と育児の両立が難しかったり、子供についイライラしてしまったり、ストレスが絶えません。特に金銭面での不安がある方が多いのではないでしょうか。

生活費には、家賃、食費、教育費などありますが、そのひとつに税金があります。

消費や教育費などは、いくら使ったのか、いくら使えるのか自分でわかりますが、税金となると、どのようにして金額が決まっているのか、正直よくわからないですよね。

ある日請求書が届き、期限までに振り込む、あるいは引き落としされるのが税金です。請求書が来て金額がわかり、あせる経験をした人は少なくないでしょう。

でも、税金がどのようにして決まるか、その是非は別として、実は自分でも計算することができます。税金がいくらになるか前もって知っていれば、家計のやりくりに生かすことができますよね。

税金には、住民税所得税とがあります。

今回は、母子家庭で住民税と所得税の税金がどのくらいかかるか、計算シミュレーションを紹介していきます。

目次

税金の計算シュミレーション、非課税の人は?

税金は国民の義務とも言われますが、すべての人に支払い義務があるわけではなく、除外、非課税になる人もいます。

非課税になる場合には、下記のような条件があります。

  • 生活保護を受けている方
  • ひとり親、寡婦、障害のある方、未成年者で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入のみで204万4,000円未満)の方
  • 単身者の場合前年の合計所得金額が45万円(給与収入で100万円)以下
  • 控除対象配偶者または扶養親族がいる場合:(扶養人数+1)×35万+31万円以下の方(※東京23区の場合)

非課税になると、下記で説明する所得割も均等割も発生しません。いずれも、最低限の生活も難しい状況におかれている人が対象ということになります。

専業主婦の方が離婚して母子家庭になってしまった年は収入がないので、上記の条件に当てはまることがほとんどです。

税金の計算シュミレーション、住民税は?

住民税の税金計算は下記のように進めていきます。

① 源泉徴収票を用意
② 所得控除の合計額を計算
③ 課税される金額を計算
④「所得割」額を計算する
⑤ 調整控除額の計算
⑥ 所得割額から調整控除額を引く
⑦「均等割」額の計算
⑧ 住民税の計算

① 源泉徴収票を用意

まずお手元に源泉徴収票を用意し、給与所得控除後の金額を調べてください。

もし源泉徴収票がない方は、給与所得の自動計算ツール(https://kinjitou.com/kyuyoshotoku/)もネットなど調べれば出てきますので、参考にしてくださいね。

② 所得控除の合計額を計算

次に、所得控除がされている場合に、その合計金額を計算していきます。

基礎控除・ひとり親控除などは誰でも該当しますが、社会保険に入っている場合や、生命保険に加入している場合には、社会保険料控除生命保険料控除の金額も加算してください。

③ 課税される金額を計算

所得控除の合計額を計算できたら次に、②の給与所得控除後の金額と所得控除の合計額を引いてください。

「給与所得控除後の金額」-「所得控除の合計額」=「課税される金額」

④「所得割」額を計算する

住民税は「市区町村民税」と「都道府県民税」を合わせた金額になっています。そのため、所得に応じて計算される「所得割」と各市区町村で決められている「均等割」の2つの算出方法があります。

⑤ 調整控除額の計算

調整控除額は、③の課税される金額が200万円以下か200万円を超える場合で計算方法が変わります。

課税される金額が200万円以下の場合

人的控除の差額の合計額と課税される金額のいずれか金額が低い方の5%(都民税3%+区民税2%)が控除額になります。

「人的控除の差額の合計額or課税される金額」×5%=調整控除額

課税される金額が200万円を超える場合

まず課税される金額から200万円を引きます。そして、人的控除の差額の合計額から引いた金額をさらに引きます。

「人的控除の差額の合計額」-「課税される金額-200万円」=調整控除額

⑥ 所得割額から調整控除額を引く

④の所得割額の金額から⑤で計算した調整控除額を引いてください。

「所得割額」-「調整控除額」

⑦「均等割」額の計算

均等割額は、住んでいる市区町村によって異なるので、各役所のホームページなどで調べるようにしましょう。計算は、都道府県民税と市区町村民税を足したものが均等割額になります。

「都道府県民税」+「市区町村民税」=「均等割額」

⑧ 住民税の計算

最後に、⑥の所得割額から調整控除額を引いた金額から⑦均等割額を足したものが年間の住民税になります。

「所得割額から調整控除額を引いた金額」+「均等割額」「住民税」

以上が、住民税の計算方法です。

少し分かりにくいかもしれませんが、順番通りに計算してもらうと計算できますよ。あせらずに、ゆっくり進めてみましょう。

税金の計算シュミレーション、所得税は?

所得税の税金計算も下記のように進めていきます。

① 給与所得控除額の計算
② 給与所得控除額と所得控除額の合計額を計算
③ 課税される所得金額の算出

① 給与所得控除額の計算

まずは給与所得控除額を下記の表より算出してください。(国税庁のホームページより引用)

給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%-80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%-440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%-1100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

② 給与所得控除額と所得控除額の合計額を計算

給与所得控除の他にも、基礎控除・社会保険料控除・ひとり親控除などの所得控除額を合計します。

③ 課税される所得金額の算出

②で出した所得控除額までは、年収の課税対象になりませんので年収から所得控除額をひき、課税対象になる金額を算出してください。

「年収」-「所得控除額」=「課税対象になる金額」

下の表を参考に「課税対象になる金額」に「税率」をかけて所得金額を計算してください。(国税庁のホームページより引用)

課税される所得金額 税率
1,000円 から 1,949,000円まで5%
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%
40,000,000円 以上45%

以上が、所得税の計算シミュレーションですが、いかがでしょうか。

面倒なようですが、落ち着いて計算していけば大丈夫なのではないでしょうか。

税金の計算シュミレーション、母子家庭ならひとり親控除も

住民税と所得税の計算のやり方について、解説してきました。

税金と聞くと、「どんな税金があるのかよくわからない」「何がどういう理由で引かれているのかわからない」とついつい後ろ向きになってしまいがちです。

でも税金はみんなにかかってくるもの。そして家計にも大きな影響があることからも、ちゃんと理解しておきたいですよね。

また母子家庭の場合は、ひとり親控除申告もできるので忘れないように申告しましょう。

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