住民税非課税世帯、ずるいって言われるのはどうして?

住民税非課税世帯はずるい、という話を耳にすることがあると思います。ネットで検索してみても、「ずるい」という意見が上位に見られたりします。

住民税非課税世帯の多くは生活保護を受けていたり、年収が低かったりするのが一般的な特徴ですが、なぜずるいと言われるのでしょうか。

特に最近は、新型感染症の影響で収入が激減する世帯が増え、支援として住民税非課税世帯に対して一律の支援金を支給するという施策があり、住民税非課税世帯はずるいという意見に拍車がかかってきた感があります。

では、本当に住民税非課税世帯はずるいことをしているのでしょうか?

ところが実際には、ずるいどころかかなり厳しい生活を余儀なくされていて、非難されるような状況とはかなり違っています。母子家庭の方でも生活は大変ですよね。

そこで、住民税非課税世帯は本当にずるいのかどうか、どうしてずるいと言われるのか、詳しく見ていきましょう。

目次

住民税非課税世帯とは?

住民税非課税世帯とは、生計を同じくしている世帯人員のすべてが住民税非課税である世帯のことを言います。

同じ世帯の中で就労などで収入を得ている人がいて、そのいずれの人も住民税が免除になる収入しかない、というケースが当てはまります。

母子家庭では収入があるのは母親だけのことがほとんどなので、住民税非課税世帯になっている世帯は少なくありません。

住民税が非課税になる具体的な条件は3つあります。

  • 生活保護受給者
  • 前年の合計所得額が135万円以下の、未成年者や障害者、寡婦、寡夫
  • 前年の合計所得額が、居住地の自治体の条例で定められた額面以下の方

いずれも収入がない、あるいは少ないことが条件になっていることがわかります。

住民税非課税世帯がずるいと言われるのはなぜ?

住民税非課税世帯がずるいと言われているのはなぜなのでしょうか。理由を大きく分けると2つあります。

  • 住民税を収めていないから
  • 優遇されているを思われているから

住民税を納めていないから

住民税非課税世帯がずるいと非難されることがあるのは、住民税を納めていないからです。

社会人として働いて収入を得ている人の多くは、毎年住民税を納めています。住民税の金額は都道府県や市区町村によって違いがありますが、一定の所得がある人は課税所得に比例する住民税を納めるのが義務です。

住民税非課税世帯の場合には所得があるにもかかわらず、非課税対象になっていて住民税を納めていないからずるいと言われています。

住民税非課税世帯は優遇されていると思われているから

住民税非課税世帯として認められることにより、何か優遇を受けているのではないかと思われているのがずるいと言われるもう一つの理由です。

例えば、生活保護世帯として認められた場合には、住民税だけでなく所得税や固定資産税も納める必要がありません。

さらに水道料金などの公共料金も免除、または減額の措置を受けられます。

住民税非課税世帯も同じように優遇を受けているだろうと思われているため、ずるいという話がよく上がっています。

住民税非課税世帯がずるいとは限らない理由とは?

住民税非課税世帯が実際にはずるいわけではなく、全く逆で厳しい状況にあります。なぜ住民税非課税世帯は世の中でよく噂されているようにずるいとは言えないのでしょうか。

それには3つの理由があります。

  • 住民税非課税世帯は申請や審査はないから
  • 住民税非課税世帯になっても優遇はないから
  • 収入が少なくて日々の生活が厳しいから

住民税非課税世帯は申請や審査はないから

住民税非課税世帯は住民税が非課税になる条件を満たしているのは確かですが、特に住民税非課税世帯になるために申請をして審査を受けているわけではありません。収入が低いことによって住民税が非課税になってしまっているだけです。

巧妙に審査をくぐり抜けて住民税非課税世帯になったというわけではないので、ずるいとは言えないでしょう。

住民税非課税世帯になっても優遇はないから

住民税非課税世帯に優遇があるというのは噂です。住民税非課税世帯になったからといって特に公的な優遇措置があるわけではありません。

収入が低いという同じ理由で奨学金を手に入れやすい、保育園の入園料や各種学校の学費が減額されるといった場合はあります。

しかし、住民税非課税世帯だから減額対応になるというわけではありません。住民税非課税世帯というのが根拠になる優遇措置はないのが現実です。

収入が少なくて日々の生活が厳しいから

住民税非課税世帯は住民税を納めていないのは事実ですが、それでも収入が少なくて厳しい生活を送っています。

地域による違いこそあれ、4人家族では手取りが200万円に満たない程度のことがほとんどです。このような厳しい収入の状況で暮らしているのでずるいとは言い難いでしょう。

実際の生活費としては、賃貸に住んでいるなら毎月の家賃、食費、電気水道などの公共料金、仕事に行くのに電車バス等を使うのであれば交通費、母子家庭のように子供がいる場合は学校や塾などの教育費などがあり、いずれも簡単に減らすことができないものばかりです。

食費や光熱費は4人家族ともなるとかなりの金額になり、住民税非課税世帯だからといって少なくなるわけではありません。そのため、収入が少ない世帯ほど生活は苦しくなりますよね。

住民税非課税世帯はずるい?実際は生活が苦しい

住民税非課税世帯は住民税を納めていないからずるい、というのはあながち間違いではありませんが、日々の暮らしで苦労するほど収入が少ないのも確かです。

また、住民税非課税世帯になることで優遇措置を受けていると思われているのも、ずるいと言われる理由です。

しかし、実際には何も特別な措置があるわけではありません。

住民税非課税世帯は収入が低い結果として住民税が非課税になっている世帯を指します。特にずるいことをして住民税非課税世帯に認められたというわけではないのです。

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