母子家庭で資格を取りたいけどお金が。大丈夫、自立支援教育訓練給付金があります

母子家庭で苦しい生活を送っている中、少しでも収入を増やしたい、と思いますよね。子供が大きくなるにつれて学校にかかる費用も増えてくるし、習い事や塾にも行かせたい、と考えると、今、働いてお給料をもらっていたとしても、どうにかしてもっと収入を増やしたい、と悩んでしまいます。

また、病気や子供の障害などで思うような仕事に就くことができず、パートやアルバイトなどでなんとかやりくりしている、という母子家庭もあり、中には生活保護を受けている家庭もあります。

そこでお勧めしたいのが、資格の取得です。

資格には様々な種類がありますが、その中でも、資格が必要な仕事、資格があると有利な仕事、といったような、その資格を持っていないと就けない仕事、持っていた方が就職しやすい仕事があり、そのための資格を取れば、あたらしい仕事に就ける可能性が高まります。

しかし、資格を取るためにはお金が必要。しかもその金額はたいていは安くはないです。母子家庭で収入が限られていると、とてもそんな金額は出せない、となってしまうでしょう。

でも大丈夫。自立支援教育訓練給付金を利用して資格を取る、という方法があります。

ただ、自立支援教育訓練給付金と言われても、聞いたことがない、聞いたことはあるけれど面倒そう、自分は使える?など、色々な疑問が沸くと思います。せっかくよさそうな話を聞いたのに、何だかよくわからない、ではもったいないですよね。

そこでここでは自立支援教育訓練給付金について、詳しく見ていきます。

目次

母子家庭で利用できる自立支援教育訓練給付金とは?

少し堅い説明になりますが、自立支援教育訓練給付金というのは、厚生労働省による「子ども・子育て支援」の中の「母子家庭等関係」にある「母子家庭自立支援給付金および父子家庭自立支援給付金事業の実施について」で定められている制度です。

厚生労働省のホームページでは、「母子家庭自立支援給付金および父子家庭自立支援給付金事業の実施について」は以下のように解説されています。

生労働省では、母子家庭の母又は父子家庭の父の経済的な自立を支援するため、自治体と協力して就業支援に取り組んでいます。
母子家庭の母は、就業経験が乏しいことなどから、生計を支えるための十分な収入を得ることが困難な状況におかれている場合が多く、また父子家庭においても所得の状況や就業の状況などから同様の困難を抱える家庭もあることから、「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」を各都道府県・市・福祉事務所設置町村において実施しています。

要は、母子家庭の方が仕事をするための支援として給付金を用意していますよ、ということですね。そしてその中のひとつが「自立支援教育訓練給付金」制度で、「母子家庭の母又は父子家庭の父の主体的な能力開発の取組みを支援するもの」と定義されています。

最後の「各都道府県・市・福祉事務所設置町村において実施」というところは実は要注意ポイントなのですが、まずはこの制度の中身をしっかり理解することから始めましょう。

母子家庭の自立支援教育訓練給付金を理解する

先に自立支援教育訓練給付金というのは、「母子家庭の母又は父子家庭の父の主体的な能力開発の取組みを支援するもの」と書きましたが、わかりにくいですよね。具体的には、

母子家庭(あるいは父子家庭)の方が仕事に就くために必要な資格を取るために必要な費用を出してくれる制度

が自立支援教育訓練給付金です。

自立支援教育訓練給付金は誰でも利用できる?

まず知っておきたいのは、自立支援教育訓練給付金を利用できるのは決められた条件にあてはまる方、です。つまり、母子家庭なら誰でも利用できるわけではない、ということです。その条件というのは次の通りです。

①母子家庭あるいは父子家庭であること
②20歳未満の子供を扶養していること
③児童扶養手当の支給を受けていること、もしくはそれと同じくらいの所得しかないこと
④これまでの仕事の経験や得た技能・資格と会社が求める人材の能力から、資格を取るのが就職するために必要と判断されること
⑤自立支援教育訓練給付金の利用が初めてであること

そしてこの5つの条件全部にあてはまらないと、自立支援教育訓練給付金を利用することはできません。

①、⑤は問題ないでしょう。②と③は少し注意が必要です。と言うのは、児童扶養手当の支給を受けている場合、児童扶養手当の支給は18歳の誕生日以降、最初の3月31日までとなっているからで、それまでは③にあてはまれば自動的に②にもあてはまりましたが、4月からは、児童扶養手当と同じくらいの所得、というのが条件になるからです。

④は、これまでの仕事などで身に着けている資格、技能が仕事に活かせると判断されると、まずそれが優先されるため、条件からはずれてしまいます。ただ、母子家庭になる前は専業主婦であったり、一般職の仕事をしていて特に資格や技能などは必要とされず、何も持っていない、という方は多いので、そうなると条件にあてはまってきます。

また、自立支援教育訓練給付金が支給される資格は何でもいいというわけではなく、あらかじめ決められており、その中から選ぶことになりますが、支給される資格には何があるかは後述します。

次に、自立支援教育訓練給付金ではいくら支給されるか、見ていきます。

自立支援教育訓練給付金では、いくら支給される?

自立支援教育訓練給付金で支給される金額は決まっていて、以下のようになっています。

・資格を取るのにかかった費用(入学金、授業料)の60%
・下限は12,001円、上限は年間200,000円、最大でも800,000円

補足すると、

・資格を取るための講座を受講し、資格を取得を取るまでにかかった費用の60%が支給される
・下限というのは、かかった費用の60%がこの金額より少なかった場合、支給額は0(ゼロ)になる金額。つまり、資格を取るまでにかかった費用が20,000円以下の場合は支給はなし

・上限は、かかった費用の60%がこの金額より多かったとしても、これ以上は支給されないという金額、最大というのは、資格は1年では取れず何年かかかる場合、総額でもこれ以上は支給されないという金額

つまり、かかった費用の全額が支給されるわけではなく、さらに上限もある、資格によっては費用が安くて支給がない、これが自立支援教育訓練給付金制度ということになります。

とは言っても、たとえば60,000円かかる資格では36,000円が支給され、自腹は24,000円ですから、母子家庭にとっては確かに大きな支援です。しかも上限は200,00円ですから、お金のかかる資格でも取れる可能性があり、取得まで2年や3年かかる資格でも支給が受けられるのはありがたいですよね。

では、どのような資格であれば自立支援教育訓練給付金が支給されるのでしょうか?

自立支援教育訓練給付金の支給が受けられる資格

自立支援教育訓練給付金の支給が受けられる資格には大きく分けて次の2種類あります。

・雇用保険制度の教育給付の指定教育講座を受けて取る資格
・都道府県等の長が地域の実情に応じて対象とする講座を受けて取る資格

簡単に言うと、雇用保険制度から決められた、つまり国で決めた資格と、都道府県が独自で決めた資格、ということです。どちらを使うかは、ご自身のおかれた状況や、これまでの仕事の内容、これから就きたい仕事などを考えて決めることになります。

それぞれの講座は以下の通りです。

雇用保険制度の教育給付の指定教育講座を受けて取る資格

都道府県等の長が地域の実情に応じて対象とする講座を受けて取る資格

例として、東京都が定める自立支援教育訓練給付金が支給される資格です。(東京都母子家庭及び父子家庭自立支援教育訓練給付金事業実施要綱より)


・看護師
・准看護師
・介護福祉士
・保育士
・理学療法士
・作業療法士
・保健師
・助産師
・理容師
・美容師
・歯科衛生士
・社会福祉士
・製菓衛生士
・調理師
・その他、就職の際に有利となるものであって、かつ条例の定めにより養成機関において1年以上のカリキュラムを修業することが必要とされている資格について、上記に準じ知事が地域の実情に応じて定めるもの

国の定める指定教育講座とかぶる資格もありますが、このように都道府県ごとに支給される資格が決められており、この中から選ぶことで自立支援教育訓練給付金を利用することができます。

このように自立支援教育訓練給付金は母子家庭にとって大変助かる制度ですが、注意すべきポイントが2点あります。

自立支援教育訓練給付金の注意点

まず、先に、「各都道府県・市・福祉事務所設置町村において実施」というところは実は要注意ポイント、と述べましたが、自立支援教育訓練給付金が支給される資格は全国一律ではなく、地域によって決められている、ということです。

そのため、自分の取りたい資格が自立支援教育訓練給付金の支給の対象になっているか、事前に確認する必要があります。

次に、自立支援教育訓練給付金が支給されるのは、資格を取るための講座をすべて終了してから、ということです。これは、講座を申し込むときは自分で建て替えなくてはいけない、ということを意味します。

この点は、本来、生活が苦しい母子家庭を支援するのであれば、申し込み時に支給を受けられるべきですが、残念ながら今はそうなってはいません。一刻も早い制度改正が望まれます。

最後に自立支援教育訓練給付金の利用方法です。

自立支援教育訓練給付金の利用方法

自立支援教育訓練給付金を利用するためには、こちらから申請しなくてはなりません。そして申請は3回必要です。

なぜ2回かと言いますと、1回目は取りたい資格が自立支援教育訓練給付金の支給を受けることができるか、その確認のための申請で、2回目は講座を受講するスクールへの申請、3回目は講座が終了し、自立支援教育訓練給付金を受け取るための申請です。

1回目と3回目はいずれも専用の申請用紙が用意されているので、必ずその用紙を使って申請します。用紙は各都道府県の自治体の窓口やハローワークなどに置いてあります。事前に電話でどちらにあるか、確認しておくといいですよね。

2回目のスクールへの申請は、スクールによって申請方法が違うので、直接スクールに聞く必要があります。

1回目の申請

申請書に必要事項を記入して、自分の住む地域を管轄する各都道府県の自治体の窓口やハローワークに提出します。その際、住民票などの書類も求められることがあるので、合わせて用意します。

申請して2~3週間ほどすると、申請した資格が自立支援教育訓練給付金の対象になるかどうか、その結果が送られてきます。

2回目の申請

スクールへの申請で、申請方法はスクール側の指示に従います。

3回目の申請

資格を取るための講座がすべて終了したら、1回目と同様に、申請書を自分の住む地域を管轄する各都道府県の自治体の窓口やハローワークに提出します。

支給の申請期間には期限があり、講座の終了後30日以内となっています。そのうちに、と思っていると30日はあっという間に過ぎてしまうので、終わったらすぐに申請しましょう。

以上、母子家庭の自立支援教育訓練給付金について色々とみてきましたが、各都道府県の自治体の窓口やハローワークでも丁寧に教えてくれるので、もしわからないところがあれば、直接出向いたり、電話で聞いてみるといいですよ。

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