副業などで収入を増やす以外の形で日々の暮らしを豊かにしたい、そんな時に利用したいのがふるさと納税です。
ふるさと納税とは応援したい自治体に対し寄付を行える制度で、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ふるさと納税では、選ぶ自治体によって返礼品として特産品などを受け取ることができます。寄付した金額の一部が、所得税の還付や住民税の控除という形で還元されるシステムです。
ふるさと納税は、多く税金を支払っている人向けの制度というイメージを持つ人もいますが、年収に関わらず誰でも利用できる制度です。
ただ住民税非課税世帯など、収入が少なく税金を納めていない家庭の場合は、税金の還付や控除などを受けることができません。還付や控除が受けられないと結果的に自己負担の方が多くなり、ふるさと納税をするうまみがなくなってしまします。
そうならないために、母子家庭がふるさと納税を利用する際は、納税面等、トータルで見た時に損をしないか、確認しておく必要があります。
そこでここでは、母子家庭がふるさと納税をする際のメリットと注意点について、考えてみたいと思います。
母子家庭でふるさと納税をする、どんなメリットがある?

自己負担2千円で返礼品を受け取れる
まず、ふるさと納税の一番のメリットは、実質2千円の自己負担で返礼品を受け取れることです。
ふるさと納税をした後に適用される所得税の還付や住民税の控除は、2千円を超えた金額に対して行われるものです。寄付金全額が還付や控除の対象とはなるわけではありません。
そのため、寄付金に関わらず2千円は自己負担という形になりますが、それ以上の返礼品を受け取れることが、ふるさと納税のメリットということになります。
ふるさと納税の返礼品は寄付金額の3割までとなっています。寄付金額が多ければ、2千円は自己負担となっても、それ以上の金額の特産品を受け取ることができる、ということですね。
受け取れる特産品は、寄付する自治体によって様々です。
日用品など生活で役立つ物が届く自治体もあれば、その地域ならではのグルメが届く自治体も多くあります。牛肉や蟹など、豪華食材が届く自治体も多いため、普段はなかなか手が出ない食材をお得に楽しみたい、そんな時にもふるさと納税をすることで可能になります。
さらに、ふるさと納税の返礼品の中には、母子家庭にとって嬉しいテーマパークや水族館などのチケットを用意する自治体もあります。毎日の生活が精一杯でなかなか子供を旅行に連れていってあげることができない、と悩む母子家庭の方には、お得にチケットを入手できるふるさと納税がおすすめです。
チケットがあれば、楽しい旅行の思い出を作れますよね。
ふるさと納税の返礼品には何があるか、こちらが参考になります。

寄付金の使い道が分かる
返礼品が魅力のふるさと納税ですが、もう一つ利用者にとって大きなメリットがあります。それが、寄付金の使い道が分かることです。
義務だからと納税をしていても、税金が何に使われているのか分からないと、本当に納税してもいいのか、心配になりますよね。ふるさと納税は寄付金の使い道が公表されているだけでなく、複数の使い道の中から気になるものを選んで寄付をすることもできるようになっているので、自分が納得できる寄付ができます。
用意されている使い道は、子育て支援や自然保護、震災復興など自治体によって様々です。
応援したい自治体や活動に対し、直接寄付ができるふるさと納税を活用すれば、頑張って稼いだお金が世の中の役に立っていることを実感できます。
税金は、かつて住んでいた地域の活性化に使って貰いたい、今後住んでみたい地域で活用して貰いたい、そんな場合は、ふるさと納税の活用が有効です。
母子家庭でふるさと納税をする、注意点は?

ふるさと納税にはこうしたメリットがありますが、覚えておくべき注意点もあります。
2千円の自己負担が必要
まず1つ目は、収入にかかわらず2千円の自己負担が必要となることです。
2千円の自己負担を大きく上回る返礼品も多いため、返礼品の内容によってはお得となるふるさと納税ですが、収入が少ない母子家庭にとって、2千円の負担でも大きいと感じる可能性があります。
また納税額が少ない母子家庭の場合、返礼品のグレードが低くなり、2千円分の満足感を感じられないことは珍しくありません。そのため、ふるさと納税がお得になるかどうかは、納税額によって変わるということをしっかり理解しておきましょう。
節税にはならない
さらに、返礼品の分だけお得となるイメージのあるふるさと納税ですが、納める税金の金額自体が変わる訳ではないため、基本的に節税にはなりません。住民税に関しては、翌年分の税金が控除という形になりますが、ふるさと納税をした年に翌年分の住民税の一部を支払っている、という形になります。
つまり、自分で先に支払った住民税が差し引かれるだけのため、納める税金の総額が変わることはありません。それどころかふるさと納税を行う年に、普段よりも多くの税金を支払うことになるので、ふるさと納税を始めた年は手持ちのお金が心細くなる可能性があります。
確定申告が必要
3つ目の注意点は、人によっては確定申告が必要になることです。
確定申告の必要がない給与所得者の場合は、自治体に対し申請書を送ればワンストップ特例制度を利用することができます。
ただ、申請書は請求しないと送って貰えない自治体もあるため、思わぬ手間がかかることがあります。
給与所得以外の形で働いている、Wワークや副業をしているという母子家庭の場合は、確定申告が必要です。確定申告をしなければ、税金の還付や控除を受けることができません。
確定申告は、今はネットでも申請できるようになりましたが、どうやって、何を記入するのか等、わかりにくさは紙の頃と変わっていません。記入例もありますが、すべての例が載っているわけではないので、結局は税務署に行って聞かないとわからない、ということも少なくありません。
返礼品を貰って終わりではなく、その後の申告なども必要となることは、ふるさと納税の注意点の一つです。
手続きの大まかな流れは、こちらが参考になります。(【ふるさと納税サイト ふるなび】より引用)
母子家庭でふるさと納税はした方がいい?

ふるさと納税は、納める税金が減額されることはなく逆に一時的負担が増えてしまうことから、無理にしてもかえって逆効果になってしまうので、ご自身の経済状況によって判断するのがいいでしょう。
その一方で、経済的に少しは余裕ができたので時には子供と贅沢を楽しみたい、どこかに連れて行ってあげたいという時に、費用が割安になるふるさと納税は、とてもありがたい制度です。
うまく使い分けることで、少しでも豊かな生活が送れるのではないでしょうか。