母子家庭になり、一番心配になるのはこれからの生活です。
仕事、家事、子育てをひとりでしていく重圧に不安や心配事は尽きないですよね。ここでは、離婚後3人の子育てをしながら11年間働いてきた母子家庭の方が考える、母子家庭の賢い働き方について書いていきます。
経験者ならではの視点は、多くの母子家庭の参考になるのではないでしょうか。
母子家庭の賢い働き方、実際はどうなの?

内閣府男女共同参画局が令和3年に発表したデーターによると、婚姻数60万件に対し離婚件数は21万件。データー上では結婚した3組に1組が離婚していることになります。
親が離婚した未成年の子の数は20万人にのぼり、年々増加傾向にあるようです。
母子家庭になると、子供を育てるためにも経済的に自立したいですよね。そのためにはまず、どんな働き方が自分にとって賢い働き方になるのかを考える前に、今後の生活で何を優先するのか考えてみる必要があります。
優先するものを考えると、自分にとっての賢い働き方が見つかるからです。
母子家庭の賢い働き方、何を優先する?

母子家庭になった時、自分の中では何を一番優先して考えますか?色々とありますが、ほとんどの人は次の3つのどれかを挙げるのではないでしょうか。
- 子供
- 安定した収入
- 自分の健康
子供
母子家庭になり、まず優先するのは子供、と考える人は最も多いと思います。私もそうで、「仕事の替わりはあるけれど、子供の替わりはいない」と考えました。
子供のために一生懸命働くのは素晴らしいことだと思います。でも一生懸命のあまり、子供の気持ちを見る余裕がなくなるシンママも多いです。
忙しさのあまり空回りしてしまわないように、賢い働き方をしたいですよね。
安定した収入
誰しも子供を育てるためには安定した収入を得たい、と考えますよね。収入が安定していると、生活面での心配事が確実に減りますから。そして、贅沢はできないけれど最低限の生活ができる安心感は、生きていく上で気持ちに余裕も生まれます。
正直、お金があれば解決できる悩みは沢山あります。子供の進路の選択肢も増えるでしょう。けれど安定した収入は、同時に忙しさもあります。
私は正社員で安定した収入を得ていましたが、ストレスも多くメンタルが不安定で病院通いもしていました。子供をちゃんと育てなければ、という思いが原動力でした。
安定した収入と自分の健康、子どもに合わせた賢い働き方ができるのが一番ですよね。
自分の健康
離婚時にメンタルや体が不調になり働けない、というシンママもいます。
子供を育てなければいけない、けれど思うように働けないもどかしさ。子供が成長するにつれて服や靴も買い替えてあげたい。満足に買えないと、情けない気持ちになることもあるでしょう。
体や心が思うようにならない時、まず自分の健康を取り戻すことを優先して下さい。実家に頼る、行政に頼るなど、様々な支援を活用するのも一つの解決策です。
母子家庭の賢い働き方、メリットとデメリットを考える

母子家庭としての働き方として考えられるのは、次のようなものがあります。どれが自分にとって賢い働き方になるのかは、メリット、デメリットからある程度、判断がつくのではないかと思います。
- 正社員
- 派遣社員
- パート・アルバイト
- 在宅ワーク
正社員
母子家庭になると経済的に安定したいと考えますよね。そのため、働き方として正社員を目指す人も多いでしょう。
正社員で働くメリットは
- 収入が安定する
- 社会保険、年金に入れる
- 有給が使える
などがあげられます。
正社員で働くデメリットとしては
- 責任が増える
- 繁忙期などは休みにくい
- 残業が多くなる
正社員になると収入は安定しますが、どうしても仕事優先の生活になってしまいがちです。
派遣社員
正社員は無理なら、派遣社員として働くという方法もあります。
派遣社員のメリットは
- 残業がない
- 職種によっては高時給が得られる
- 条件により社会保険、有給休暇がもらえる
デメリットは
- 突然雇用が切られる場合がある
- 週に働く時間が決まっているため、休めない場合がある
- 雇用が安定せず、職場を転々とする場合がある
派遣社員は事務系の仕事経験があると有利かもしれません。また派遣先から声がかかり、正社員になる場合もあります。資格や得意なスキルがあれば、よりいい待遇を受けられる可能性もあります。
雇用は不安定ですが、時間になったら帰れるのは母子家庭には助かりますね。
パート・アルバイト
母子家庭になり、まずはパートやアルバイトで働き出す人も多いと思います。パートやアルバイトでも、フルタイムで働けば日々の生活費を得ることはできます。
パート、アルバイトのメリットは
- 子どもの行事や体調に合わせて働ける
- すぐに仕事が見つかりやすい
- 経験のない職種にもチャレンジしやすい
デメリットは
- 仕事がないと収入がない
- 雇用が不安定
- 保険や年金に入れない場合がある
パートやアルバイトは未経験でも雇ってくれるところもあるので、仕事が見つかりやすい働き方でしょう。けれど働いた分しか収入が入ってこないので、収入はどうしても不安定になります。
時給も安いので、子供が小さいうちだけと割り切って働き、置かれている状況にもよりますが、資格をとり、正社員や専門職種への転職をすることも視野に入れるのがいいと思います。
在宅ワーク
今人気の在宅ワークは、派遣や業務委託、出来高制などの雇用体系が多い仕事です。職種はライター、デザイナー、事務、オペレーターなどがあります。ネットを利用するので、パソコンは必需品になります。
在宅ワークのメリットは
- 子供といる時間が増える
- 働く時間が柔軟である
デメリットは
- 収入が不安定
- 夜中まで仕事をして体調を崩しやすい
- 単価の安い仕事が多い
子供が小さいと保育園に入ることもできず、在宅で仕事を探す場合もありますね。また子供に「おかえり」と言いたいと在宅で仕事を探す方もいるでしょう。
在宅ワークを本業にする場合は時間管理が必須になってきます。在宅ワークは副業でスタートし、できそうなら本業にするのがいいでしょう。
このサイトでは色々な在宅ワークについての記事を掲載していますので、参考にしてみて下さい。
私は一番下の子が小学生になるタイミングで正社員になりました。私は、正社員になるのは子供が大きくなってからでもいいと思います。
派遣、パート、アルバイト、在宅ワークは収入的な不安は大きいですが、子供優先のスケジュールで働くことができます。子供に合わせると子供の情緒が安定しますよ。まずは子供優先の働き方を模索してくださいね。
母子家庭の賢い働き方のポイント

子供の体調や行事を優先できるか
どの働き方でも、子供がいる場合は子供の体調や行事を優先できるか、で考えるのがおすすめです。
収入が高いことももちろん大事ですが、母子家庭の子はどこかに寂しさを抱えている子が多いです。普段触れ合う時間が少ないほど、学校行事、お誕生日など意識して一緒に過ごせるようにしましょう。
あまり寂しい思いをさせると思春期になり男女交際、非行など大きな問題へと発展してしまうケースがあります。小学生まではお母さんを求めている時期なので、節目節目で思い出を作る努力はしたいですね。
職場までの距離
職場を選ぶときに家から近い所を選ぶのがおすすめです。
小学生のうちは、子供が自分でいける距離にお母さんがいると思うと安心感につながります。私も近所でパートをしていた時期があり、子供たちも大した用事はなくても顔を見にきていました。
遠い場合はいつでも電話に出れる、ラインの返信ができる環境でもいいですね。心の距離が近いと、安心感につながりますよ。
キャリアアップできそうか
職場を選ぶときにパート、アルバイト、派遣でも正社員への道があるところを選ぶのもポイントです。そのとき、人間関係には要注意です。正社員で入って人間関係がよくないとすぐにやめるわけにはいかないからです。
けれど、パートアルバイトで入り職場や社員の雰囲気が分かっていると、正社員になってからのイメージもつきやすいですよね。
パート、アルバイトも、できれば専門職がオススメです。それは、転職するとき経験者になるので、採用率もアップするからです。
母子家庭の賢い働き方、これだけは気をつけよう

ラクに稼げる話にご用心
今はスマホで仕事を探す場合も多いでしょう。スマホで仕事を検索すると、Googleがこの人は仕事を探していると認識し、転職情報の広告ばかり目にするようになります。
大手転職サイトに混じって「ラクに稼げる」「スマホひとつで簡単」などの仕事も入ってきます。少しでも収入を上げたいと思っているときは、このようなキャッチコピーに騙されやすいです。
多くは最初に高額のセミナーや情報商材を買うパターンが多いもの。ラクに稼げる話はないと肝に命じましょう。
子供との時間は量より質を重視
母子家庭になると、仕事、家事、子育てを1人でこなすので子供との時間はどうしても減ってしまいます。
こんなとき、「いつも寂しい思いさせてごめんね」というと、子供は「僕私のせいで苦労させて悪いな」という感情が芽生えてしまいます。「あなたのおかげで頑張れるよ」「いつもありがとう」とポジティブな声かけをすることがとても大切になってきます。
また、経済的にも体力的にもどこかに出かけるのはしんどいシンママも多いでしょう。私も平日フルタイムで働いていたため、「週末はまとめて家事をしたい」「体を休めたい」と思っていました。
我が家では週末はお菓子パーテイーをしていました。普段あまり買わないスナック菓子と炭酸ジュースを買い、平日頑張ったことを労いあいました。今も子供たちはこのことをよく覚えています。
お金をかけなくてもちょっとした工夫で楽しい思い出は作れます。質と知恵を絞れば、子供と楽しい思い出を沢山作ることはできるのではないでしょうか。
母子家庭の賢い働き方というのはつまるところ、子供との生活の両立ではないかと私は思います。
母子家庭でも自分らしい賢い働き方を

母子家庭になるには様々な理由がありますよね。パートナーの浮気、お金遣いの荒さ、DVなど。パートナーとの死別以外は、ある日突然母子家庭になるというケースは少ないでしょう。
多くの母子家庭の方はパートナーと仲が冷え切っていても「子供のために」、と我慢に我慢を重ね我慢の限界がきて離婚し母子家庭になる方が多いでしょう。私自身も、母子家庭になってからより、我慢していた2~3年間の方が辛かったです。
母子家庭になると、経済的にも心情的にもしんどいことは多いかもしれません。
けれど、ケンカの絶えない家庭よりひとりで子供を育てることができてよかった、と今は思います。母子家庭でも、自分らしい賢い働き方を見つけて、たくましく生きていきましょうね。